マエケン、先輩・福留といざ直球勝負

 「広島(中止)阪神」(6日、マツダ)

 広島は6日の阪神戦が降雨中止。前田健太投手(24)は7日の同戦にスライド登板となった。PL学園の11歳先輩で阪神に新加入した福留孝介外野手(35)から「先輩に変化球を投げたら、怒る」と“挑発”されたが「僕の真っすぐは動くので…」とニヤリ。前夜延長V弾の福留を抑え、5点差を逆転された悪夢払しょくに意気込んだ。

 大先輩の仕掛けた心理戦をサラリとかわした。「先輩に変化球を投げたら、怒る」と福留が“挑発”。練習後、伝え聞いた前田健は不敵に笑った。

 「僕の真っすぐは動くので、変化しちゃうかもしれない。ただ気持ちはいつも真っすぐなので」。マエケン流“気持ちの直球勝負”で堂々と挑むことを予告した。

 PL学園の11歳上の先輩。前田健が初めて1軍に登板した08年に福留はメジャーに移籍。これまで対戦はない。「昔から見ていた。WBCでも見ていたし、すごい打者。PLの先輩は意識するので、いい対戦、いい勝負ができればいい」。今や鯉のエースとなり、同じ舞台でようやく戦える喜びに胸を躍らせた。

 前夜は延長十二回、福留は右翼へ決勝弾を放り込んだ。翌日が先発予定のため試合終了前に自宅に帰り、テレビ観戦していた前田健は改めて「すごさ」を実感した。

 メジャー帰りの先輩を中心に、5点差を逆転した阪神打線は復調気配。「福留さんに、西岡さんもチャンスできっちり打つ。つながったら点差があってもひっくり返す」と警戒モードだ。

 ただ「僕が投げて打たれたわけじゃない。前の試合がどうだとかは意識しない」とキッパリ。WBCでベストナインにも選ばれた“世界のエース”に恐れなど皆無だ。

 チームは開幕から1勝5敗1分けの最下位。前夜も悪夢の大逆転負けを喫するなど、負の流れは早く止めたいところ。「イヤな負け方だったし、何とかあしたは勝ってうまく切り替えたい」と、必勝態勢で臨む。

 スライド登板にも「早く(中止が)決まったし、うまく調整もできた」と、心身ともに状態は万全。「僕自身もチームも早い段階で勝っておきたい。ホームで日曜日だし、たくさん(観客が)入ってくれる中でいい投球がしたい」。エースが自身の今季初星で逆襲へ弾みをつける。

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