福留、意地見せた!古巣撃ち2点二塁打
「阪神3‐5中日」(3日、京セラ)
簡単に屈さない。一矢を報いた。阪神・福留がチーム唯一のタイムリー。ベテランが連日の奮闘で波に乗り切れない打線を鼓舞した。
「最後までどういう展開であれ、自分のやることをやっていければいい」
八回1死一、三塁だった。3球連続直球が続いて迎えた2ボール1ストライク。「きのう見て、イメージもあるしね」。田島が4球連続で投じた143キロの外角直球を捉えた。
一直線に伸びたライナーは背走し、ジャンプした中堅・大島が差し出したグラブを越えた。ワンバウンドでフェンスに当たる2点二塁打。古巣相手に2試合連続タイムリーとなった。
さらに中継・井端の本塁への送球がそれるのを確認すると再び加速。「次の塁を狙うチャンスがあればやっていく」。一気に三塁を陥れた。
2日連続の激走だった。2日の中日戦は浅い飛球で三塁からタッチアップ、右中間への二塁打では一塁から一気に本塁まで生還していた。
練習中には「歳を考えろ!(26日で)36歳やぞ。あれだけ走ったらしんどいんや。きょうはいいけど、1日空いて(体の張りが)来るんや」。ジョークを交えて周囲を笑わせていたが、この日もフィールドでは誰よりも若々しかった。
初回1死は荒木の前方へのライナーに迷わず前進して、前のめりになりながらランニングキャッチ。「難しい打球じゃない。打ったのが(同級生の)荒木だったから、余計に捕ってやろうと思ったけどね」。
四回1死三塁では投手の足元へライナーを放つなど捉える打球も増えてきた。「ミスショットの数を減らさないと。1打席でそう甘いボールは来ないからね」。自分自身に対しては厳しい姿勢を崩さなかったが、それでもチームへの貢献度は高い。走攻守で躍動し続ける背番号8。重苦しい雰囲気が漂った敗戦の中、その存在感は際立っていた。