DH制の導入後、投手による初の本塁打は?【プロ野球記録企画】

 デイリースポーツの記録担当がプロ野球のさまざまな記録をひもとく新企画「記録の向こう側」(随時掲載)がスタート。今回はDH制の導入後、投手による初の本塁打を取り上げる。

  ◇  ◇

 原則として投手が打席に入ることのないのがDH制だが、守備位置や打順の関係で救援投手もオーダーに名を連ねることがたまにある。

 91年5月29日、日生球場での近鉄-オリックス戦。オリックス1点リードで迎えた九回裏、マウンドには来日2年目のドン・シュルジーが立った。ところが同点に追いつかれ、長谷川滋利のプロ初勝利を消してしまう。試合は延長に入った。

 オリックスは「4番・一塁」のブーマーの代走、山森雅文が左翼に、「5番・DH」の石嶺和彦の代走で出た飯塚富司が一塁に、それぞれ入った。DHに当たる選手がいなくなったためDHを解除し、シュルジーは6番に入っていた。延長戦は十一回に進み、2死後シュルジーに打順が回ってきた。

 赤堀元之の初球を190センチ、104キロの巨漢は見逃さなかった。容赦なくぶったたいた白球は外野フェンスをはるかに越え、観客席後方の照明灯を直撃した。

 土井正三監督は「沖縄キャンプで子どもたちにバッティングを教えているのを見て『センスがある』と思っていたんだ」と、思わぬ豪打に大喜び。「次は代打で出る?」と問われた殊勲のシュルジーは「おれが投げるのをやめるときは、野球をやめるときだ。ハセガワには悪いことをした」と投手の顔に戻っていた。(デイリースポーツ・高野 勲)

答え…ドン・シュルジー(オリックス)

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