呉港・78歳片岡監督 史上最高齢甲子園へ快勝発進 「まだスタートしたばかり」も27年センバツ出場なら79歳4カ月「実現させたい」
「秋季高校野球広島大会・1回戦、呉港8-1広島工大高」(20日、鶴岡一人記念球場)
1回戦8試合が行われ、優勝候補の一角でもある呉港が広島工大高に8-1で七回コールド勝ち。片岡新之介監督(78)は2027年春の選抜大会出場を果たせば、大会時点で79歳4カ月。春夏を通じた甲子園史上最高齢監督となる元プロ野球選手の指揮官が、歴史的な挑戦への第一歩を踏み出した。2年連続のセンバツ出場を目指す崇徳は、広島国際学院を10-0の五回コールドで圧倒した。2回戦は26日に行われる。
コールド発進にも片岡監督は表情を引き締めた。7回を投げて10奪三振、1失点のエース・大越友翔投手(2年)について「背番号1の重みを感じたのか、体も気持ちも少し重たかった」と振り返った。続けて「本人も分かっている。次に向けて自分で準備して、あとは試合で投げるだけ」と責めることなく奮起を促した。
目指すのは一人の力に頼らない野球だ。春から成長を続ける上杉翔真投手(2年)も控え、投手陣の層は厚みを増した。「一人だけで勝ち上がれるわけではない。全員が一番になるという思いを持つことが大切。初心を忘れず、気持ちを整えて次の試合に向かってほしい」と力を込めた。
呉港にとって甲子園は1963年に出場してから遠ざかっている。監督にとっても最高齢記録がかかる。専大松戸・持丸修一監督が今春に達成した77歳11カ月。春夏を通じた甲子園の最高齢記録は、大垣日大・阪口慶三監督が2023年夏に記録した79歳3カ月だ。片岡監督が来春の聖地に立てば79歳4カ月となり、二つの記録を塗り替える。
昨夏の大会後には大腸がんの手術を受けた。甲子園最年長記録に「それは実現させたいですね」と歴史的な挑戦に意欲を示した。体調も「口が元気だから大丈夫。子どもたちと一緒に野球をやっていることが一番の薬です」と笑った。
西鉄、阪神、阪急で捕手として16年間プレーし、現役引退後は広島で17年間コーチを務めた。プロの世界で培った経験と勝負への執念は、78歳となった今も変わらない。「『内容が良かった』、『惜しかった』では終わりたくない。どんな形でも最後に勝っていればいい」。結果にこだわる言葉に、元プロ監督の意地がにじんだ。
ただ、視線は足元に向く。「まだスタートしたばかり。県内には力のあるチーム、私たちが挑戦しないといけないチームがたくさんある。一戦一戦、目の前の相手としっかり戦っていきたい」。大病を乗り越えた老将が、79歳での甲子園を見据え、一歩ずつ勝利を積み重ねていく。
