有明 熊本に届けた!九回2死から逆転勝利 永田が3点二塁打「被災された方に勇気を」高見監督感動「涙出そうに」

 「全国高校野球選手権・1回戦、有明5-3立命館宇治」(7日、甲子園球場)

 1回戦が行われ、春夏通じて甲子園初出場の有明(熊本)は立命館宇治(京都)に6-3で逆転勝ち。熊本県勢の春夏通算110勝目となった。1点を追う九回に永田晴輝内野手(3年)の3点二塁打などで4点を奪った。7月28日に発生した地震で傷ついた地元へ、聖地から届ける1勝となった。この日から、最も熱中症リスクの高い時間帯を避けるために、午前1試合、午後3試合の2部制で実施された。

 地元への思いが、九回2死から奇跡を起こした。スタンドからの声援が、熊本から、全国からの声援が、有明ナインの力になった。

 1点を追う九回。失策に暴投、連続四球も絡み無安打で満塁とした。「永田に回そう」。七回に2点適時打を放っていた背番号4にみんながつないだ。「自分が決めるしかない」。仲間の思いをバットに乗せた。甘い直球を捉えた打球は左中間への逆転3点二塁打となった。ベンチもスタンドも全員が拳を握った。

 7月28日、熊本は最大震度7の地震に見舞われた。県北部に位置する学校に大きな被害はなかったとはいえ、10年前の地震を知る選手も多い。この日は同校でパブリックビューイングも開催され、地元から多くの人が声援を送った。永田は「『自分たちの試合をして、被災された方々に勇気を与えられるように頑張ろう』と話していた」と明かした。

 0-3の七回にも、その気持ちがプレーに表れた。先頭が安打で出塁。「塁に出た人が、みんなに(情報を)共有して走り出しました」と“ノーサイン”で二盗や重盗を成功させて得点につなげ、1点差に追い上げた。

 さらに2死一塁で盗塁を仕掛けてアウトとなった場面では、走者の永田自ら監督にセーフを主張。今大会から導入されたビデオ検証が初めて実施された。判定は覆らなかったが、高見一茂監督(46)は「もやもやしたものもなく、次にいけた」と逆転劇につながったとした。

 創部30年目で春夏通じ初出場となった甲子園で、記憶に残る1勝を挙げた。指揮官は「声援がすごくて、球場に取らせてもらった4点。感動しました。甲子園に来て良かった。涙が出そうになった」と感謝の思いを口にした。

 5打点で勝利の立役者となった永田は「熊本でたくさん被災された方がいるので、勇気を与えられるようにプレーしていきたい。ここから波に乗って2勝、3勝できるように」と力強く誓った。チーム一丸でさらなる躍進を見せ、熊本にパワーを送る。

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