東大・渡辺「やり切れました」1回0封、充実のラスト登板 サブマリンへの挑戦に幕「すごい楽しかった」

 「東京六大学野球連盟結成100周年記念試合、East4-1West」(29日、神宮球場)

 連盟結成100周年記念試合が29日、神宮で行われ、各大学の主力選手が出身高校で東西に分かれて対戦し、チームEastが4-1でチームWestに勝利した。東大の下手投げ右腕・渡辺向輝投手(4年・海城)は大学ラスト登板で1回無失点。元ロッテの父・俊介氏(49)と同じサブマリンへの挑戦に笑顔で幕を下ろした。

 大学ラスト登板を終え、言い切った。「やり切れました」。しのぎを削った仲間たちと最後は笑い合い、競技としての野球人生は終了。渡辺の表情はすがすがしかった。

 2-0の四回に登板。父の元同僚で、渡辺を幼少期から知る早大・小宮山悟監督(60)に送り出された。安打と死球で無死一、二塁としたが、早大・吉田瑞樹捕手(4年・浦和学院)を三ゴロ併殺に打ち取ると、慶大・林純司内野手(2年・報徳学園)を二ゴロに。好守にも救われ、1回無失点でマウンドを降りた。

 10月23日のドラフト会議で指名漏れとなり、卒業後は一般就職する。文化財保護法に関する卒論の執筆真っただ中に練習を再開したといい「2週間卒論やってただけで全然ダメだったんですけど、ストライクは入ったので良かったです」と苦笑い。「野球を継続するすごい選手たちの中で投げさせてもらえたのは、すごい楽しかった」と充実の表情で振り返った。

 「挑戦する機会を与えてくれた東大野球部と六大学には感謝しかないです」。紡がれてきた100年の歴史。東京六大学ファンの記憶に残るサブマリンが神宮に別れを告げた。

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