健大高崎サヨナラV!2年連続5回目の夏の甲子園 石垣4回完全リリーフ、気迫150キロ連発
「高校野球群馬大会・決勝、健大高崎4-3前橋育英」(27日、上毛新聞敷島球場)
群馬大会の決勝が行われ、健大高崎が延長11回タイブレークに及んだ前橋育英との激闘にサヨナラ勝利し、2年連続5度目の優勝を果たした。今秋ドラフト1位候補の最速158キロ右腕・石垣元気投手(3年)が八回から登板し、4回6奪三振の完全投球。先発の下重賢慎投手(3年)、昨春センバツV腕の最速147キロ左腕・佐藤龍月投手(3年)からのバトンを受け継ぎ、4季連続となる甲子園出場を導いた。
サヨナラ勝利を決める打球が外野へ抜けていく。一走の石垣元は、右拳を高々と突き上げた。本塁上で歓喜の輪を作る仲間の姿が見える。「絶対にサヨナラ勝ちしてくれると思った。急いで行きました(笑)」。頼もしく成長したエースが、遅れて輪に加わった。
圧巻だった。出番は3-3の膠着(こうちゃく)状態が続いた八回。「今の元気なら打たれることはないから」-。盟友の佐藤龍から言葉をかけられ、自信たっぷりにマウンドへ上がった。
「自分が流れ変えてやろうと思った。1点もやらない気持ちでした」
言葉通りに、まずは3者連続三振で“主役の登場”を印象づける。150キロ超えを連発して追い込むと、最後は135キロ前後のフォークを落とす。相手打者は崩れ落ちるように空振りした。
タイブレークの延長十回は犠打すら許さない。「真っすぐで押して、バントさせないという気持ちで」と2者続けてフライを打ち上げさせた。最後まで前橋育英打線にまともにスイングさせず。4回を完璧に封じ、最速155キロを記録した。
何度も帽子のつばを見た。「信守勝」。準決勝前のミーティングで話し合い、メンバー全員で書き込んだ今夏の合言葉だ。「信じて守り勝つ。この通りにやれば負けない」。仲間を信じ、自分も信じ、2年続けての頂点に立った。「夏の大会は簡単に甲子園に行かせてくれないなと…。自分で言うのもあれなんですけど、最高の投球でした」と珍しく自分を褒めた。
でも、満足はしていない。「去年は自分のせいでチームを負けさせてしまった。160キロを出して、日本一になりたい」。悲願の夏の頂へ-。聖地が与えた難問を解きに、最高峰のマウンドへと向かう。





