巨人 浮上へ欠かせない2人の野手 キャベッジ下降の要因は-内田順三氏の視点「意識を変える気持ちがあるかどうか」

 巨人は前半戦を借金2の3位で折り返した。エース・戸郷翔征投手の不調、主砲・岡本和真内野手の離脱など、誤算続きのシーズン。後半戦、10ゲーム差の首位・阪神をどこまで追うことができるのか。打撃の名伯楽、内田順三氏(デイリースポーツ・ウェブ評論家)は課題の得点力不足解消へ、2人の打者に言及した。

  ◇  ◇

 キャンプでどういう野球をしていくのかと見ていた時に、阿部監督は攻撃力アップに重点を置き、スタートしていた。ただ、岡本が離脱し、坂本も本来のパフォーマンスが出せない。キャンプの構想とは大きく状況が変わって、1点を取るのに苦労しているよね。

 開幕からここまでいいパフォーマンスを見せているのは野手では吉川、泉口くらい。ただ、いい選手、楽しみな若手も出てきている。中山、増田陸は気持ちの強さを出していい面が出ているし、荒巻も振りが鋭く、非常に楽しみな選手だね。

 一方で得点力不足という点で言えば、岡本離脱だけでなく、キャベッジ、ヘルナンデスの両外国人、大城の不振もチームにとって痛いよね。

 キャベッジは打撃だけでなく、足もあって守ることもできるから評価していた。打撃は5月くらいまでは良かったが、徐々に結果が出なくなった。その要因として、スイングにしなりがないよね。棒で打ってしまっている。点で打つから、当たった時には凄まじい打球が飛ぶ。一生懸命に振って逆方向にも打球が飛ぶんだけど、これはほとんどが振り遅れ。柔らかさもないから、日本の投手の変化に対応できず空振りも目立つよね。

 巻き返すためにはパワーのあるキャベッジの力は絶対に必要だし、本人に意識を変える気持ちがあるかどうか。阿部監督は現役時代、ツイスト打法をしたりがっちり手首を固めずに打ったりと柔軟性に優れたバッターだったから助言はできるはず。スイング始動の1から3まで間がないから、ボールをゆったり見るタイミングができれば、まだまだ期待はできる。

 それと、気になっているのは大城だね。タイミングの取り方で試行錯誤しているのが見えるが、メンタルのところが大きい。いい時は余裕を持って打てていたのが、大城も硬い打ち方になり、可動域が小さくなってしまっている。彼もキャベッジと同じく、巨人が浮上していくには1軍で出なくてはいけない選手だね。

 後半戦、阪神との差を詰めていくには一戦必勝で勝ちを積み重ねていくしかないが、特に阪神と最下位のヤクルトには負けないこと。前半戦は直接対決で負けているだけに、阪神に対しては特に強い意識を持って戦ってほしいね。

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