弔問の王貞治氏「今朝連絡『えっ』と…」盟友・長嶋氏の訃報に声震わす「変わらず静かに横たわっていた」
プロ野球の国民的スーパースターで、元巨人・長嶋茂雄さんが3日、肺炎のため亡くなった。89歳だった。
長嶋さんの盟友で、ともに巨人の黄金時代を築いたソフトバンク・王貞治会長は自宅を弔問に訪れた後、都内で報道陣に対応した。
王さんは声を震わせながら「今朝、連絡をもらいました。『えっ』というのが最初の思いでした。長嶋さんの家に行くときから暗い気持ちしかなかった」と落胆を隠せず。長嶋氏の様子について「全然、変わらず静かに横たわっていました」と語った。
現役時代は3、4番としてチームをけん引。「ON砲」として巨人の黄金時代を築き、V9に貢献した。「入った時から特別な存在でした。人となり。ユーモラスなところもあったし。何でも許されちゃう」とその人柄にも惚れ込み、「もっと近づきたい。数字でしか争えませんでしたから、追い越せ、追いつけという思いでプレーしていました」と振り返った。
00年には長嶋さんが巨人、王会長がダイエーの指揮官として日本シリーズで対戦。国民が注目した対決は、4勝2敗で巨人が制した。
歴史的な一戦について「本当のことを言うと勝ちたかったですよ。負けてしまったけどジャイアンツは強かった。長嶋さんが思い描いて作ったチームはピッチャーもバッターも良くて強かった」とうなずいた。
ともに監督を退任後は王氏がソフトバンクの会長、長嶋さんは巨人の終身名誉監督に就任。東京ドームで両チームが試合をする時は並んで観戦するなど、関係は深かった。
最後に、長嶋氏へ送る言葉を問われると「ありがとうございました、で全てを表せると思います。プロ野球の選手がみんな長嶋さんの方を向いていた。ピッチャーでもそうでしたから。長嶋さんは特別な存在だった」と、実感を込めた。




