【解説】巨人、ソフトバンク電撃トレードの背景 評論家の視点「そうした場があれば話も進みやすい」「岡本のけがで一気に」
巨人・秋広優人内野手(22)、大江竜聖投手(26)と、ソフトバンク・リチャード内野手(25)の2対1のトレードが決まったと12日、両球団が発表した。
巨人は主砲、岡本和真内野手が左肘靱帯(じんたい)損傷で長期離脱。ファームでは昨季まで5年連続本塁打王のリチャードを緊急補強した形となった。
巨人OBのデイリースポーツ評論家・関本四十四氏は「岡本のけがで一気に決まったんだろうな。巨人は今年、ヘルナンデスも良くない。若林、増田陸が頑張っているけど、右がいないんだよな」と推察。8日の球宴会見で巨人・阿部監督とソフトバンク・小久保監督が同席していたことに「ある程度プランがあったとは思うけど、(両監督は)巨人時代に一緒にやっているし、そうした場があれば話も進みやすいもの。お互い、期待をかけてきた選手ということもあるしな。環境を変えて化けてほしいという、親心もあるだろうな」とした。
リチャードは1軍では通算10本塁打。23年以降、3年間で119打席に立っているが、1本も打てていない。「リチャードはファームではあれだけ打って、今年の開幕で1軍で使ってもらったが結果が出ず2軍落ち。2軍の試合を中継で何度か見たが、とんでもないボールを空振りして下を向いてベンチに帰る姿も見た。少し気持ちが折れているんじゃないかとも思ったけどな。ただ、最近4号(7日)を打っていたのも見たし、やはりパワーは別格。今の巨人にとっては魅力に映るだろうな」とした。
秋広は23年に10本塁打を放ち、阿部監督も期待してきた22歳。ただ、リチャードと同じように1軍の壁に苦しみ、今季も打率・143と低調だった。
関本氏は「秋広は去年から迷いが見えるもんな。トレードというのはやはり、白紙の状態でスタートできるのが大きいよ。大江にしても、巨人は中川が復活したし、高梨、横川、下には又木、山田ら左が多いんだよな。ソフトバンクの方が、チャンスはもらえるだろうな」と、巨人2選手の状況も解説。リーグ連覇を狙う両球団の電撃トレードに「本人たちもよしやってやろうという気持ちだと思う。環境を変えて成功した選手は少なくない。ワクワク感のある、いいトレードだと思うけどな」と、期待感を示した。




