「ソフトバンク２－６楽天」（１６日、みずほペイペイドーム）

　鋭く振り抜き、敵地に快音を響かせる。プロ５６打席目で、鮮やかなアーチをかけた。「いい角度で上がったんですけど、少しバットの先だったので。まあ、ギリギリ届いてくれてよかったです」。楽天のドラフト１位・宗山（明大）がプロ初本塁打で、チームの連勝を導いた。

　「まずは先に点を取りたかったので、何とか自分が出塁して、先に点を取れたらいいなと打席に入りました」

　両軍無得点での三回先頭だった。上沢の２球目、外寄りのチェンジアップを右翼のテラス席にたたき込んだ。中継局によると打球速度は時速１５９キロで、飛距離は推定１１４メートルという当たり。３点リードの八回には、２死一塁から二塁打で出塁し６点目を導いた。「日々学ぶことばかりなので、一日一日、自分の課題を見つけながら、毎日成長していければと思います」。開幕から全試合出場。その中での経験を初アーチにつなげた。

　記念の一発は１２球団の新人１号となった。「まず１本が出てくれた。自分より（安打を）打っている選手もいるので本塁打ぐらいは…。先に出てくれて良かった」と笑顔。ホームランボールは試合後に手元に届き、両親に贈るつもりだという。

　「まだまだシーズン続くので、全力でチームの勝利に貢献できるようにがんばっていきます」と宗山。昨秋のドラフト会議で５球団競合となった注目のルーキーが、さすがの輝きを放ち、新たな一歩を踏み出した。