「東京六大学野球、慶大８－２法大」（２３日、神宮球場）

　慶大が法大に快勝した。今秋ドラフト候補に挙がる広瀬隆太内野手（４年・慶応）は「２番・一塁」で先発出場し、歴代５位タイのリーグ通算１９号となる２ランを放つなど、４打数２安打２打点と躍動。視察したＮＰＢ１０球団のスカウト陣に存在感を示した。

　３－０の二回、１死二塁で打席に立った。高めの変化球を一振りで仕留め、高く上がった打球は左翼手の頭を越えてスタンドイン。「打った感触はよくて、真芯に当たってくれたのでホームランになりました」とホームを踏み、笑顔を見せた。

　今春リーグは５本塁打を放つも、打率が・１９２と低迷。「春はタイミングが合っていなかったので、まずはタイミングを重点に置いて夏は練習してきた。とにかくゆったりタイミングを取る。春は打ち急いでいるというか、タイミングで刺されている部分が課題だったので、修正しようとして早めにタイミングを取ることをやっている」と、成果を発揮した。

　バックネット裏で視察したスカウト陣へのアピールも大成功。広島・苑田スカウト統括部長は「この試合からきれいにバットが出て、腰も開かない。びっくり。見直しました。今年のドラフト候補の中で、パワーだけならナンバーワン。今日のホームランもバットに当たったときのボールをつぶすような音がすごかった。（評価が）ずっと上がった」と大絶賛した。

　リーグ通算１９号は、早大・荒川尭（元ヤクルト）、立大・山口高誉に並び、歴代５位タイ。歴代４位の早大・岡田彰布（現阪神監督）が放った２０本塁打まであと１本、歴代１位の慶大・高橋由伸（元巨人）が放った２３本塁打まではあと４本に迫った。広瀬は、「（記録は）特に意識していなくて、打席の中で全力を尽くすだけ。この法政戦で勝ち点が取れれば優勝が近づくので、とにかく明日勝ちたい」と、表情を引き締めた。