オリックス・山下 プロ初星!“レジェンド直伝”フォークで5回10K無失点「やっと勝てた」

 「楽天0-6オリックス」(11日、楽天モバイルパーク)

 念願のプロ初勝利にニコッと笑った。オリックスの山下舜平大がうれしそうに両手を挙げた。「やっと勝てた。本当にうれしいです」。開幕投手の大役を任された3月31日の西武戦では勝てなかったが、プロ2登板目で白星。最速157キロの剛速球に切れ味抜群のカーブ、フォークの3球種で打者を圧倒。人生初の杜の都で大きな一歩を踏み出した。

 初回からぶっ飛ばした。「一人一人、勝負という気持ちで」と後先は考えない。先頭・西川の2球目に最速を計測。そこからも必死に腕を振った。

 最大のピンチは2点リードの四回。安打と死球で1死一、二塁とされた。だが、表情は変わらない。まずは、山崎をカーブで見逃し三振。そして、辰己はフォークで空振り三振に仕留めた。

 「“ここ”という場面でしっかりとフォークが決まっていたところは良かった」

 プロ入り時は直球とカーブの2球種だけ。新人時代から習得に取り組んだのが、フォークだった。原点は1年目に斉藤和巳氏(現ソフトバンク投手コーチ)に教わったもの。ただ、試合で使えるようになるのは簡単ではない。同僚の宇田川にも助言を仰ぎ、試行錯誤を繰り返してきた。

 そして、今春キャンプ。野茂英雄氏の指導を受けた。「物理的に教えてくれた。『こうすれば、こう落ちるから』と」。感覚重視ではなく、握りや手首の使い方などを徹底的に。「簡単になりました」。丹念に磨き続けた自慢のフォークでプロ初星をたぐり寄せた。

 5回2安打無失点で毎回の10奪三振。右手で握りしめた記念球は「次も頑張るぞ」という気持ちを込めて、母・美智代さんに贈る。まだ、20歳。野球人生の序章だ。「まだまだできる。(理想の姿を)どんどん超えていく」。ついに、未完の大器がベールを脱いだ。

◆山下舜平大(やました・しゅんぺいた)アラカルト

 ◆生まれ 2002年7月16日、福岡県福岡市出身

 ◆サイズ 190センチ、98キロ

 ◆球歴 野多目小3年から筑紫丘ファイターズで野球を始め、三宅中では軟式野球部で投手と捕手。福岡大大濠では1年秋からベンチ入り。2年夏はエースとして福岡大会8強。3年夏は新型コロナの影響で全国高校野球選手権大会が中止。8月末に甲子園で行われたプロ志望高校生合同練習会で、打者5人から3奪三振。20年度ドラフト1位でオリックスに入団

 ◆名前の由来 オーストリアの経済学者ヨーゼフ・シュンペーター。母・美智代さん(51)によると「海外の人から呼びやすいように」と名付けた

 ◆好きな選手 パドレスのダルビッシュ有、レッズのハンター・グリーン

 ◆目標球速 165キロ

 ◆入寮時のお供 博多銘菓の「めんべい」と「通りもん」

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