【スポーツ界22年墓碑銘】池永正明さん 70年「黒い霧事件」で永久失格処分の激動人生
伝説の好投手が激動の人生を全うした。今年9月に76歳で亡くなった池永正明氏が全国にその名をとどろかせたのは16歳の春。下関商2年の63年センバツで優勝した。夏の選手権大会は準優勝。65年に西鉄(現西武)に入団し、低い重心から打者の胸元への直球、変化の大きなカーブを武器に1年目で20勝を挙げ新人王に輝いた。67年は23勝で最多勝のタイトルを獲得するなど、絶対的エースとして君臨した。
しかし70年、選手が金銭授受を伴う八百長を行ったとされる「黒い霧事件」に巻き込まれ永久失格処分を受け、球界を去る。実働5年で通算103勝65敗、防御率2・36。後年に名誉回復を求める動きが起きる中、01年に稲尾和久氏が監督を務めていたマスターズリーグの福岡ドンタクズに加入し、05年に永久追放の処分が解除され復権を果たした。