【スポーツ界22年墓碑銘】水島新司氏 野球漫画の第一人者、球界発展に貢献
野球を日本の人気スポーツとして定着させた功労者の一人といえるだろう。今年、82歳でなくなった漫画家の水島新司氏は半世紀以上にわたり「ドカベン」「あぶさん」「野球狂の詩」など人気作を世に送り出した。
水島作品に影響を受けて野球を始めた人も多い。70年に剛速球投手の藤村甲子園を主人公にした「男どアホウ甲子園」で注目を集めると、女性投手の水原勇気がプロ野球で活躍する「野球狂の詩」、山田太郎ら「明訓高校」の球児たちが甲子園で戦う「ドカベン」、自身が大ファンだった南海ホークスを舞台にした「あぶさん」など、時代を超えて親しまれた。甲子園で活躍した浪商のスラッガー・香川伸行捕手は山田太郎と体形が似ていることもあり「ドカベン」の愛称で作品とともに広く知られる存在となった。
野球界の発展にも寄与し、06年には北信越地方に野球の独立リーグを発足させようとアドバイザーに就任。新潟県中越地震の復興支援にも力を注ぎ、05年に紫綬褒章、14年に旭日小綬章を受賞した。20年12月1日をもって作品制作からの引退を発表。野球漫画の第一人者は今頃、天国で香川さんら往年の名選手と野球談議を楽しんでいるかもしれない。





