ヤクルト・村上 52号!日本選手新あと4「野村克也さんと本塁打数が並ぶことができて光栄」
「阪神6-8ヤクルト」(6日、甲子園球場)
ホームベースを踏み、ヤクルト・村上宗隆内野手(22)はそっと天を見上げた。そして静かに合掌。「偉大な野村克也さんと本塁打数が並ぶことができて光栄です」。野村克也、落合博満に並ぶ52号弾。見てくれましたか-。2020年に急逝したレジェンドへ、報告した。
1点リードで迎えた六回だ。先頭で打席に入ると、1球目を見送ってストライク。2球続けて同じコースにきた直球を、今度は鋭いスイングで振り抜いた。打球はどよめきと悲鳴をかき分け、バックスクリーン左へと着弾。思い切りのいいスイングで、2試合連発アーチを鮮やかに描いた。
ルーキー時代の18年、春。テレビ番組の企画で宮崎・西都で行われていた2軍キャンプ地を訪れた野村氏と対面し、「自分を信じて」と激励された。そして、かけられた大きなハッパ。「王の記録(55本)なんか破っちゃえ、取りあえず俺の記録(52本)を破れ」。あれから4年。さまざまな経験が、主砲をさらに強くさせた。
昨季は最年少で東京五輪メンバーに選出。他球団の一流選手と同じ時間を過ごし、「話をして、一緒に練習して、一緒に試合をした。まだまだもっとやらないと足りないなって思いましたね」と、足元を見つめるきっかけを得た。そこから達した今季の飛躍にはまだ、続きがある。
さぁ、“約束”の55号へ。あと3本だ。64年・王貞治の日本選手最多記録、バレンティンのプロ野球記録の60号も射程圏内に捉えた。「(球界のレジェンドたちと)肩を並べて、追いつき、追い越せでやっていきたい」。待ち焦がれる夢、新たな歴史へ。村上が描くアーチに思いは重なっていく。





