仙台育英が東北勢初V 感涙の須江監督「100年開かなかった扉が開いた」コロナ禍の球児へ拍手も

 全国制覇を成し遂げ、涙をぬぐう仙台育英・須江航監督(撮影・伊藤笙子)
 7回、左越えに満塁本塁打を放ち、須江監督(手前)と抱き合う仙台育英・岩崎生弥(撮影・吉澤敬太)
 7回、満塁本塁打を放った仙台育英・仙台育英・岩崎を抱きしめる須江航監督(右)=撮影・北村雅宏
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 「全国高校野球選手権・決勝、仙台育英8-1下関国際」(22日、甲子園球場)

 仙台育英(宮城)が投打で圧倒し、夏3度目の挑戦で初優勝。須江監督は試合終了時に感涙し、試合後のインタビューでは「宮城の皆さん、東北の皆さん、おめでとうございます!」と涙をぬぐった。

 歴史を塗り替えた。仙台育英は夏3度目の挑戦で初優勝。東北勢にとっては1915年秋田中から数えて10度目、春夏通算13度目の挑戦で、初めて「白河の関」越えを成し遂げた。打線は決勝戦で史上4本目となる満塁本塁打など13安打で8点。投げては2投手のリレーで下関国際を1点に抑えた。

 「100年開かなかった扉が開いたので。多くの人の顔が浮かびました」と須江監督。「準決勝勝った段階で、たくさんのメッセージを頂いて。本当に熱い思いを感じていたので、それに応えられて何よりです」と東北勢初優勝をかみ締めた。

 試合については「前半は(下関国際の)古賀君がいいピッチングをしていたので。焦りはありませんでしたけど、翻弄(ほんろう)されている感じでした。でも宮城県大会1回戦から培ってきたことに立ち返って、選手自身がよくやってくれたと思います」と評価。「今日は斎藤(蓉)がよく投げてくれて。でも県大会は投げられない中でみんなで繋いできた。最後に投げた高橋も、投げなかった3人も、スタンドにいるピッチャーも、みんなでつないだ継投だと思う」とも話した。

 コロナ禍が始まると同時に入学した3年生ら、ナインの頑張りにも触れ「入学どころか、おそらく中学校の卒業式もちゃんとできなくて、高校生活は、なんというか、僕たち大人が過ごしてきた高校生活とは全く違うんです。青春ってすごく“密”なので。でもそういうことは全部ダメだダメだと言われて、活動をしていてもどこかでストップがかかって、どこかでいつも止まってしまうような苦しい中で、諦めないでやってくれた」。続けて、自らのチームだけでなく「全国の高校生のみんなが本当によくやってくれた。下関国際さんも。(センバツ優勝の)大阪桐蔭さんも、目標になるチームがあったから、どんなときでも諦めないで暗い中でも走ってこられた。全ての高校生の努力の賜物。皆さん、ぜひ全国の高校生に拍手してもらいたいと思います」と呼びかけると、球場は大きな拍手に包まれた。

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