野球と決別も巨人・坂本の激励で翻意 明秀学園日立・佐藤光成サヨナラ弾で聖地切符
「高校野球茨城大会・決勝、明秀学園日立4-2土浦日大」(27日、ノーブルホームスタジアム水戸)
茨城大会は決勝戦が行われ、明秀学園日立が土浦日大を下して優勝し、春夏連続出場を決めた。同点の九回2死二塁から、佐藤光成外野手(3年)が左越えに値千金のサヨナラ2ラン。一度は野球と決別する決意を固めかけていた男の一発で接戦を制し、夏では初めてとなる聖地切符をつかみ取った。
自然とガッツポーズが出た。佐藤が放ったライナー性の打球は、一直線に左翼ポール際へ吸い込まれるサヨナラ2ランとなった。右拳を掲げてダイヤモンドを一周し、本塁で待つ仲間の元へ飛び込んだ。
4打席目まで全て打ち取られていた。左手の指にはケガも負っていた。金沢成奉監督(55)は代打を出すか迷っていたという。だが、ベンチメンバーは「光成にかける」と声をそろえ、佐藤は5打席に立った。低めの真っすぐ。「チームと監督さんのために」と振り抜いた打球は飛距離を伸ばし、接戦に終止符を打った。
一度は挫折も経験した。佐藤は一昨年の秋、体力、精神面でつらさを感じ、指揮官に「辞めたい」と打ち明けていた。寮生活をしていたが、宮城の実家に戻り、野球人生を終えようとしていたという。
だが、心が折れた佐藤を引き戻してくれた恩人がいた。指揮官の光星学院(現八戸学院光星)時代の教え子である巨人・坂本勇人だ。実家に戻った4日後、指揮官といわきインターで落ち合った佐藤は、坂本から電話で「監督さんは怖いけど、思いやりのある人。もう一度やってみよう」と激励を受けた。その言葉が心に届き、チームに戻ることを決意。練習に打ち込み、大舞台でチームを救う一発を放った。
苦境を乗り越え、春夏連続の甲子園出場。「信じてくれて、支えてくれてありがとうと伝えたい。(甲子園では)チームに貢献したい。チーム全体で優勝したい」と佐藤。夏本番はここからだ。
◆佐藤光成(さとう・こうせい)2004年5月20日生まれ。宮城県大崎市出身。181センチ、82キロ。右投げ右打ち、外野手。古川第四小2年から大崎ジュニアドラゴンで野球を始め、古川中では宮城仙北ボーイズでプレー。明秀学園日立では1年秋からベンチ入り。高校通算18本塁打。遠投115メートル。50メートル走6秒0。憧れの選手は楽天の浅村栄斗。


