市和歌山・米田 初戦突破導いた 花巻東・麟太郎封じ感情爆発!9回4失点熱投153球
「選抜高校野球・1回戦、市和歌山5-4花巻東」(23日、甲子園球場)
1回戦3試合が行われ、第1試合では市和歌山が花巻東を破り3大会連続で初戦を突破した。エースの米田天翼投手(3年)が、花巻東(岩手)の佐々木麟太郎内野手(2年)を4打数無安打2三振に抑えるなど、9回4失点で勝利を呼び込んだ。第2試合は、明秀学園日立の打線がつながり初戦突破。第3試合は広島商が21世紀枠で初出場となった丹生(にゅう・福井)から22点を奪い、甲子園での同校最多得点を106年ぶりに塗り替えた。
エースの役割を全うした。九回、1点差に迫られてなおも2死二、三塁のピンチを背負ったが、27個目のアウトを奪うと、米田は叫びながら右拳を2度振り降ろして感情を爆発させた。今大会注目の佐々木を無安打に封じ、勝利を呼び込んだ。
「1打席目でインコースの真っすぐで詰まらせることができたというのが、佐々木選手に対して一番の手応えでした」
攻めの姿勢を貫いた。佐々木との初対戦は、初回、無死一、二塁のピンチで迎えた。1ボールから140キロ超の直球を2球続けて空振りを奪うと、フルカウントからの外角高めの直球で空振り三振に。三回の対戦では、追い込んでからまたも外角高めの直球で空を斬らせる。五回は145キロ直球で三飛。その後も一ゴロ、死球と快音を響かせなかった。
堂々の投球には、いつも支えになってくれている3歳年上の兄・航輝さんの存在があった。右腕が誕生した際、母から名前を聞かれた航輝さんは、電車好きだったこともあり東北新幹線の「つばさ」がいいと答えて“命名”したほど、いまでも弟思い。花巻東との対戦が決まると、動画を見て分析してくれた。
「インコースに投げれば大丈夫」と兄から背中を押されて上がったマウンド。153球の熱投で、初戦突破の原動力となった。
◇米田 天翼(よねだ・つばさ)2005年2月13日生まれ、17歳。大阪府岸和田市出身。175センチ、81キロ。右投げ右打ち、投手。小4から野球を始め、山直中時代は貝塚リトルシニアでプレー。市和歌山では1年秋から2番手としてベンチ入り。最速149キロ。スライダー、フォーク、カーブ、カットボール、ツーシーム、チェンジアップ、シュート。