東海大相模 親子鷹V!サヨナラ令和初の頂点 原親子超えた門馬親子

 「選抜高校野球・決勝、東海大相模3-2明豊」(1日、甲子園球場)

 東海大相模(神奈川)がサヨナラで2011年以来3度目の優勝に輝いた。門馬敬治監督(51)は次男・功外野手(3年)とともに、13年夏の前橋育英の荒井直樹監督と次男・海斗以来となる親子鷹での甲子園制覇。門馬監督の恩師である故原貢氏(享年79)が東海大相模を率いて辰徳(現巨人監督)と挑んだ甲子園の最高成績は、1975年春の準優勝。偉大な先輩を門馬親子が超えた。

 令和初となるセンバツで、門馬親子には劇的なフィナーレが待っていた。2-2と同点の九回1死満塁から小島大河捕手(3年)の打球が相手の遊撃手のグラブをはじいて中堅へ抜けていくと、指揮官は何度もガッツポーズ。二塁走者だった功は跳びはねながら三塁ベースを駆け抜け、歓喜の輪へと加わった。

 急性胃腸炎で主将・大塚瑠晏内野手(3年)が準々決勝から戦列を離れたことにより、3試合で主将代行を務めた功に優勝旗が手渡される。一塁ベンチ前で眺めた門馬監督は「門馬という選手と、功という息子と、いろんなものがダブりましたし。いろんな思いが交錯しました」。

 グラウンドで貫いてきた監督と選手としての関係から一瞬、親子としての関係に戻ったのは息子も同じだ。「自分しか味わえないと思うので。優勝して終わった後は少し特別な感じはしました。終わって振り返って、お父さんを日本一にしたんだな」と功。固い握手を交わし、喜びを分かち合った。

 生まれたときから父は監督だった。自宅は選手寮に隣接。幼い頃から目にしてきたタテジマに憧れるのは自然な流れだった。進路を意識した中2の時期。「お父さんには『どこに行きたいのか』と言われて。(東海大)相模に行きたいです、と」。親子鷹を決意して3年。最大の目標をともにかなえてみせた。

 家族の思いを背負った優勝でもある。功を含め、きょうだい3人そろって東海大相模。現在東海大の内野手で主将も務める長男・大さん(21)は高校時代、甲子園出場なし。2年前までマネジャーとして野球部を支えた花さん(19)も頂点は経験できなかった。

 「私が(監督を)やっているときにね。厳しい状況、環境になることは間違いないわけですから。その中で相模を選んでくれたということはありがたい」。門馬監督にとって“3度目”の親子鷹にして、1975年春の原貢・辰徳父子の準優勝を超える日本一を手にした。優勝インタビューでは涙ぐんだ指揮官。監督としても、父としても、忘れられない一日だ。

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