ヤクルト・五十嵐 晴れやか笑顔で引退会見「ギリギリまで自分の可能性を信じた」
ヤクルトの五十嵐亮太投手(41)が15日、東京都内の球団事務所で引退会見を行った。向上心を支えに、情熱で走り続けてきた23年。「もう泣いてきちゃった、たくさん」。涙はない。最後まで笑顔が似合う男だった。
日米通算905試合の思い出が走馬燈のように駆け巡る。晴れやかな表情で登壇すると赤、青、白のヤクルトカラーの花々に出迎えられた。「結果が出なかったら引退」と腹をくくって迎えた今季。「ギリギリまで自分の可能性を信じた」と生まれて初めてサイドスローにも挑戦するなど、現役続行への道を模索し続けたが…。最後にはユニホームを脱ぐ決断を下した。
「育ててもらったヤクルトで2年間しかできなかったけど、スタンドからの声援を鮮明に覚えている。幸せな時間をもらいました」
メジャー移籍などを経て、慣れ親しんだ背番号「53」に再び袖を通したこの2年間を、そう振り返った。
引退試合も近日中に発表される。「150キロ出して引退撤回します」。鮮やかな無数の傘に見送られ「絶景」だという神宮のマウンドに、別れを告げる。