鳴門“夏3連覇” 逆境に田口主将がイキなゲキ「笑顔で全員で乗り切ろう」

 「高校野球徳島大会・決勝、鳴門7-6徳島商」(5日、オロナミンC球場)

 徳島県代替大会の決勝が行われ、鳴門が九回に3点差をひっくり返す大逆転で徳島商を撃破した。主将の田口史樹内野手(3年)、岸本拓也内野手(2年)の連続適時打で同点とし、相手の失策で勝ち越した。勝利の先に甲子園はないが、“夏3連覇”という最高の形で終えた。

 2点差に迫る適時打を放った田口が、塁上で雄たけびを上げた。3点差の九回1死一、二塁、田口の右前打で二走が生還。「無意識に出てしまいました」と雄たけびを照れながら振り返った。主将のひと声が追い上げムードを加速させた。続く岸本が右中間を深々と破る同点の2点適時二塁打。最後は送球ミスの間に、岸本が勝ち越しのホームを踏んだ。

 新型コロナ感染拡大の影響で5月終わりまで全体練習ができず、「例年ならば5月ぐらいの状態」と森脇稔監督(59)。さらに肉体的な問題だけでなく、チームのまとまりにも不安を抱えて大会に臨んでいた。

 練習が再開されず、新入部員との顔合わせもままならない。団結力を育む時間が足りなかった。「練習の準備やスタートで、1年生との温度差があって、3年生の中に不安はあったと思う」と、副主将の納田源一郎外野手(3年)は証言する。

 しかし九回、練習中は時に声を荒らげて部員たちを注意していた田口主将が「つなごう!笑顔で、全員で乗り切ろう」とベンチを鼓舞。逆境をはね返して頂点にたどり着いた。

 「冬のつらい練習を乗り越えたら、頂点に立てるんだと。一番上からの景色を見せたかった」と後輩たちへの思いを語った田口。代替大会のため、夏の県大会3連覇として正式な記録には残らない。しかし試合後、部員の多くはうれし涙を流した。鳴門ナインが記憶に残る“3連覇”を手にした。

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