元阪神の浪速・遠山監督、大阪桐蔭から執念の1点「九回までやりたかった」
「高校野球大阪大会・4回戦、大阪桐蔭11-1浪速」(5日、シティ信金スタジアム)
令和2年大阪府高校野球大会が5日、大阪市内のシティ信金スタジアムなどで行われ、阪神やロッテで活躍した浪速・遠山昭治監督(53)が指揮する浪速が、大阪桐蔭にコールド負けを喫した。守備のミスも出た中での完敗だったが、強豪相手に執念の1点を奪って一矢報いた。昨年11月に就任して今大会が初の公式戦ということで、監督人生はまだまだこれから。この日の経験を今後のチーム作りに生かしていく。
緊張もあり、守備面では記録に表れないミスも出た中での完敗に「打ち負けたという感じはしなくて。九回までやりたかったですね」と悔しさがこぼれる。それでも遠山監督の「魂」は選手に伝わっていた。この経験をこれからに生かしてくれればそれでいい。
「ミスは仕方ないです。桐蔭さんで緊張感もあったと思うし。桐蔭さんも全力で来たのでしっかりやらないと、とやって空回りしましたが、これをステップに頑張ってほしい」
大敗の中で一矢報いたのは四回だ。2死一、二塁で村上真基投手(3年)が打席に向かうと、遠山監督は「センターから逆方向!」と声を出した。村上は「聞こえてました。普段から食らい付くというのを言われていて、それも頭に入れて」と、粘って7球目を指示通りの中前適時打で1点を返した。
試合前から、投手陣には「とにかくインコース。弱気でいくな。強気で」と攻めの投球も徹底させた。強豪相手に、できる限りの手を尽くした中での敗戦は大きな財産となる。
「桐蔭さんは桐蔭さんの野球。うちは泥くさい形を作っていかないといけないかなと。1、2年生も見ていて、何かしらみんなが感じてくれればいい。これから積み重ねて、いい指導者になれるように頑張ります」。初めての夏の経験を糧に再出発を図る。