巨人は２４日、新型コロナウイルスの感染拡大で逼迫（ひっぱく）する医療現場の支援を目的として、原辰徳監督（６１）、阿部慎之助２軍監督（４１）、坂本勇人内野手（３１）、丸佳浩外野手（３１）、菅野智之投手（３０）の５人が、東京都に計５０００万円（各１０００万円）を寄付したと発表した。読売新聞社と社会福祉法人「読売光と愛の事業団」は「東京コロナ医療支援基金」を設け、一般のファンにも寄付を呼び掛けていく。

　東京を拠点とするプロ野球チームのメンバーとして、都内の医療機関やスタッフの方々をサポートしたい－。坂本、丸、菅野の主力３人が発案し、原監督と阿部２軍監督も賛同。“共闘”の強い思いから一人１０００万円、総額５０００万円の寄付が実現した。

　この日、東京都の小池百合子知事が定例記者会見で寄付の申し出があったと明かした。同会見では、ユニホームを着た５人それぞれからのメッセージ動画も放映。主将の坂本は現在の心境を語った。

　「試合をできない日々の中で、思い切りスポーツを楽しめる日常が一日でも早く戻ってくれることを願っています。そのためにも、治療に携わる皆さんの懸命な働きを一緒に応援していきましょう」

　新設された「東京コロナ医療支援基金」への受け付けは今月２５日に開始。原則１口１万円で、クレジットカード決済による寄付やネットバンキングによる寄付も可能。寄せられた支援金は全額、都内の医療機関等に送られる。

　丸も「コロナに負けず一緒に頑張りましょう」と呼び掛け、菅野は「皆さんも支援の輪に加わってください」と訴えた。最後に全員声を合わせて「頑張ろう東京！」と力を込め、動画を結んだ５人。今こそプロ野球選手としての使命を果たす時だと信じ、前に進む。

　◆巨人・原監督「本拠地を東京に置き、読売巨人軍は８６年目を迎えております。東京が今、大変なことになっています。われわれで何かできることはないか。５人が先頭に立ち、『東京コロナ医療支援基金』を発足させよう。医療関係者、医療機器、医療用品に役に立ててもらおう。医療従事者の方に感謝と敬意を込めて送ります。全てコロナの感染者をなくすためです。われわれも指示に従い、進みます。医療関係者の皆さま、大変な仕事ではありますが、よろしくお願いいたします。この基金の輪が広がり、お役に立ち、感染者がなくなることを願うばかりです。皆さまの温かいご支援を必要としております。一人一人の自覚の中、みんなで越えていきましょう」

　◆巨人・阿部２軍監督「誰もが経験したことのないウイルス感染が今現在、拡大しております。そんな中、医療機関をはじめ、いろいろな分野で、最前線で闘っている皆さんに心から感謝とエールを送りたいと思います」