明石商2年生・中森、救援で自己最速151キロ 大谷もマー君も奥川も超えた

 「全国高校野球選手権・準々決勝、明石商7-6八戸学院光星」(18日、甲子園球場)

 明石商の2年生エース・中森俊介投手が圧巻の投球を披露した。6-6の七回途中から救援登板。自己最速となる151キロを計測するなど、2回1/3を1安打無失点に抑え、春夏連続の4強入りに貢献した。兵庫勢としては夏通算140勝目。休養日を挟んで20日の準決勝では履正社と対戦する。

 大きく息を吐いた。待ちわびたエースの登場に、球場が拍手と歓声に包まれた。「ずっと投げたくてウズウズしていました」。ピンチでマウンドを託された中森が甲子園という最高の舞台で自己最速の151キロをたたき出し、相手を圧倒した。

 気迫のこもった37球だった。6-6の七回2死三塁でマウンドへ。「何としても自分が抑えてやる」。気持ちを前面に出した全力投球は数字にも表れた。最初の打者に投じた2球目の真っ直ぐ。スコアボードに表示されたのは自己最速の「151キロ」。追い込んでからも再び151キロを投じ、一邪飛でピンチを切り抜けた。すると八回に味方が勝ち越し。そのリードを守りきり、2回1/3を1安打無失点。勝利の瞬間は渾身のガッツポーズを見せた。

 夏の甲子園で2年生が記録した最速は2013年の済美・安楽(楽天)の155キロ。151キロはそれに次ぐ記録で、花巻東の大谷(エンゼルス)や、星稜の奥川が2年時に記録した150キロを上回る数字だ。メジャーで活躍する二刀流、今大会ナンバーワン投手を超えた。

 “奥川超え”を果たしたが、中森にとっては投手として尊敬している存在だ。前日の星稜-智弁和歌山戦を宿舎で観戦。延長十四回を投げ切り最速154キロ、23奪三振の投球に「球を自由自在に操っていて、本当にうまいと思った。いつかは超えたい存在です」ときっぱり。「あの球を生で見てみたい」と決勝戦での対決を熱望した。

 昨年の借りを返しにきた。初めて夏の甲子園に挑んだ明石商の前に立ちはだかったのは八戸学院光星。1年生ながら3番手で登板した中森は延長十回に2死一、二塁のピンチを背負い、続く打者に左前打を浴びた。その打球を同じく1年でスタメン出場していた来田がはじき、二塁走者が生還。決勝点となった。「去年は自分が投げて負けたので。絶対に守って、抑えたいと思いました」

 あの日、悔し涙を流した先輩たちの背中を見つめ、必ずここへ帰ってくると誓った中森。頼れるエースへと成長し、先輩たちに代わって“借り”を一つずつ返してきた。悲願達成まであと2つ。明石商の夏は、まだ終わらない。

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