１９８９年１月８日から始まった「平成」も残すところ、あと１日。日本プロ野球界の「平成男」は誰だろうか？平成元年から平成３１年４月２９日までを切り取り、この期間の記録のみで「平成」を振り返ってみた。打撃部門の本塁打、打点、安打、四球の４冠に輝いたのは広島、阪神で活躍した金本知憲だった。

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　◆金本知憲

　【本塁打】現役選手では７位に阿部慎之助（３９９本）、８位に中村剛也（３８８本）がランクイン。近鉄、巨人、オリックスで活躍したローズを１２本差で抑え、本塁打王となったのは広島、阪神で主軸を張った金本知憲で４７６本。

　【打点】２位の中村紀洋（１３４８打点）以下は混戦となったが、１７３打点差の１５２１打点でトップは、ここでも金本知憲。

　【安打】本塁打、打点とはメンバーが多少様変わりし、２位が石井琢朗（２４３２安打）、３位が立浪和義の２４０５安打。そんな中で、１位は金本知憲の２５３９安打。

　【四球】阪神の鳥谷敬が現役トップの５位にランクイン。トップは金本知憲の１３６８四球。

　金本知憲氏「たまたま平成の時代に現役の始まりと終わりが全うできただけであって、特別な感情はないよ。ただ、大卒の選手にしては長くプレーできたというのはあるけど。この部門の数字に関しては引き算じゃなく、足し算だからね。努力半分、やり残したこと半分って今でも思うよ」

　◆青木宣親

　【打率】ダントツ１位がヤクルトで活躍を続ける青木宣親の・３２９。ＭＬＢでの６年間を除いた数字だが、２位の小笠原道大の・３１０に大きく水を空けての首位打者は、お見事。

　ヤクルト・青木宣親「たくさんの名プレーヤーがいる中で、名前が残るのはうれしい。米国に行って、帰ってきて、野球がすごく変化しているのは感じた。よりいい成績を残そうと、いろんな知恵や理論が生まれてきている。打者では、僕がプロに入った頃に比べて、コンタクトする打者より、振る打者が増えたのではと感じる。速球を投げる投手が増えて１５０キロが当たり前になっているし、日本の野球界が変わっていった。選手のレベルも上がっていると思う」

　◆谷繁元信

　【試合数】各部門で上位に名を連ねる金本知憲だが、ここでは２位の２５７８試合。１位には実働２７年、横浜と中日で正捕手としてチームを優勝に導いた谷繁元信が唯一の３０００試合超えとなる３０２１試合を記録した。

　【三振】負のイメージもある記録だが、これも試合に出続けたからこその記録。試合数トップの谷繁元信が１８３８三振で、ここでも１位。

　◆赤星憲広

　【盗塁】上位は大接戦。２位の荒木雅博に３差をつけてのトップは、赤星憲広の３８１盗塁。実働９年で、上位者の中では最も短期間での記録だった。７位に阪神でプレーする糸井嘉男がランクインしている。

　◆岩瀬仁紀

　【セーブ】実働１９年、中日の絶対的守護神だった岩瀬仁紀が、ダントツの４０７セーブで１位。阪神の藤川球児が６位（２２５）にランクインしている。

　【登板数】岩瀬仁紀が１００２試合でここでもダントツ。２位はヤクルト・五十嵐で、阪神・藤川球児が３位。

　◆山本昌

　【勝利】１位は２１４勝の山本昌。平成のみならず、昭和でも５勝。２位は１８２勝の西口文也。

　【イニング数】先発完投タイプだった山本昌が３０００投球回超えの３２９７回２／３で１位。ヤクルト・石川雅規が３位に入っている。

　◆杉内俊哉

　【防御率】２位以下は大混戦。現役のロッテ・涌井秀章が名を連ねる。抜けた１位は唯一の２点台（２・９５）の杉内俊哉。

　巨人・杉内俊哉ファーム投手コーチ「素直にうれしいです。唯一の２点台ですか。他にもいそうですが。田中マー君、ダルビッシュとの１－０の試合は印象に残っています。点を取られないように三振を取るような投球を心がけていたというのはあるかもしれない。点を取られても次の１点はあげないと、そういう気持ちで強く投げていた」

　◆三浦大輔

　【敗戦】勝利数と同じような顔ぶれが並ぶ。１位の三浦大輔（１８４敗）が、勝利数では１７２勝で４位。

　【奪三振】昭和と平成をまたいで活躍した工藤公康が２２８７奪三振で２位。１位は三浦大輔の２４８１奪三振。目を引くのは実働１４年の短さで４位に入った杉内俊哉。

　ＤｅＮＡ・三浦大輔投手コーチ「（奪三振について）そんな速いボールもなかったですし、すごい変化球もなかった。コントロールとタイミングを外すことばかり考えていました。長いイニングを投げた結果、三振がついてくる。狙う時もたまにあったけど、狙ってはなかなか取れなかった。（敗戦については）記録としていい記録もあれば良くなかった記録もある。記録というか、足跡みたいなもの。いろんな思い出がありますね」