長嶋氏の本拠地開幕観戦は「奇跡的ですよね」 体力回復ぶりに巨人・山口オーナー驚き

 「巨人9-3阪神」(2日、東京ドーム)

 巨人の長嶋茂雄終身名誉監督が本拠地開幕戦を訪れ、手を振って観衆を沸かせた。東京ドームで巨人戦を観戦するのは昨年6月8日の西武戦以来、298日ぶりで、「やっぱり球場はいいね。わくわくするよ」と喜ぶコメントを、球団を通じて発表した。見守った山口寿一オーナーが取材に応じ、この日を長嶋氏が東京ドームで迎えられたことを「奇跡的ですよね」と表現した。

 山口オーナーによると、3月31日の昼に長嶋氏から「4月2日に東京ドームに行きたい」という電話を受けたという。「ちょっとビックリしたんですけどね」とその時のことを振り返りつつ、長嶋氏がこの日へ向けた努力も積み重ねていたことを明かした。

 「長嶋さんとしては、4月2日の東京ドームを励みに、近所の公園でトレーニングをやって。で、今日、球場に来られたということなんですね。医者にも相談して許可をもらって」

 外で歩いても問題ないという医師のお墨付きを得た上での観戦だったとした。また、長嶋氏は“サプライズ”的に観戦したいという希望もあったといい、「私の方から(観戦すると)言えなかった(明かせなかった)ので申し訳なかったです」と語った。

 当初は、読売新聞グループの渡辺恒雄代表取締役主筆にあいさつをしたら帰る予定だったというが、オーナー側から「客席に手を振ってもらえませんか」とお願いし、ファンにその姿を見せてくれた。そのまま試合も序盤のみ観戦し、山口オーナーは「2回の途中には帰ったと思います」と説明した。

 昨年7月に胆石を患い入院した長嶋氏は、同年末に退院した。体調については、「以前からお話していたように、大丈夫ではいたんですけども」としながらも、「やはり足腰が」と体力面が懸念されていたという。「長嶋さんも83歳ですから、足腰は弱くなって、それを取り戻すのに本来はもっと時間がかかると思うんですけどね。よく4月2日に間に合わせてくれたなと。驚異的だと思います」とミスターの体力に舌を巻いていた。

 長嶋氏は球団を通じて発表したコメントで「また、ドームに来て応援したいと思います」と意欲的だった。山口オーナーも「しばらくまた体調を整えてから来られるでしょうね」と見通しを語った。

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