星稜・林監督 習志野のサイン盗み疑惑に激怒 控室に乱入&猛抗議

 4回途中に集まって協議する審判団
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 「選抜高校野球・2回戦、習志野3-1星稜」(28日、甲子園球場)

 習志野(千葉)が優勝候補の星稜(石川)を下した2回戦、第3試合の試合後、敗れた星稜・林和成監督(43)は試合中にも審判団に訴えていた習志野の「サイン盗み」の疑惑に、前代未聞の行動を起こした。納得がいかなかったのか、報道陣がいる前で自ら直接、習志野の控室に抗議に乗り込むという異例の事態。日本高野連は林監督に対して今後、一連の行動の事実確認の事情聴取を行うもようだ。

 星稜の敗退にざわめくスタンドの裏側で、前代未聞の大騒動が起こった。星稜・林監督は試合後の取材を受けた後、怒りの形相で星稜の控室と隣り合わせの習志野の控室へ2度、乗り込んだ。試合前から抱き、試合中にも訴えた「サイン盗み疑惑」に対し、報道陣がいる前での異例の直接猛抗議だった。

 「フェアじゃないでしょう」

 「証拠はありますよ」

 そういった言葉を、習志野・小林徹監督(56)や選手らがいる部屋で投げかけた。関係者から制止される形で星稜の控室に戻ったが、その後もぶぜんとした表情で選手らと球場を離れた。純粋な力勝負の場に、フェアではない行動があったと思われたがための抗議。習志野側に乗り込む前の取材で、疑惑への不満をまくしたてていた。

 「二塁走者が(打者に向けて)サインを出していた。最初から最後までずっと。途中、サインを変えたり投手からサインを出すなど対策したが、それもあって浮ついたところが出てしまい、パスボールなどミスが起きてしまった」

 試合中に訴えたのは四回だ。この試合初めて、奥川恭伸投手(3年)が二塁に走者を置いた1死二塁の場面。まずここで、山瀬慎之助捕手(3年)が北田球審に「サインを盗んでいるようです」と疑惑をアピールした。

 北田球審はそのアピールを踏まえた上で試合を続行。その後、同点に追い付かれてなおも2死満塁で、兼子将太郎捕手(3年)の初球ファウル後、次は林監督が声を上げてアピールした。そのため北田球審はいったん試合を止め、塁審を集めて星稜側のアピールを協議。ただ、習志野側に注意などは与えられず、プレー再開となった。

 試合後、窪田哲之大会審判副委員長(62)はその協議について「サイン盗みがあったと判断するに至らなかった。キャッチャーにもそう伝えた。(走者には)紛らわしいしぐさはするなとは伝えた」と説明。その後、星稜側からのアピールはなかったが、試合前からの「疑惑」は残ったままだった。

 星稜サイドは、習志野が1回戦の日章学園戦で「サイン盗み」と疑える動きを行ったことを確認し、その認識を持っていた。そのため、奥川と山瀬は試合中に何度もサインを変える対応に追われた。思わぬ騒動で、後味の悪い結末となった。

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