西武・内海 生きざまが詰まった移籍会見 重い空気が一変

 FA移籍に伴う人的補償選手には、どこか“被害者”といったイメージが付きまとう。ましてや、巨人の功労者と言われるほどの選手。前日に涙を浮かべていたという話もあり、会見前はどこか重い空気も漂っていた。だが、晴れ晴れとした表情で語り続け、その雰囲気は一変した。

 FA宣言した炭谷銀仁朗捕手(31)の巨人移籍に伴い、西武へ人的補償選手として加入した内海哲也投手(36)。21日、所沢市内の球団事務所で開いた入団会見では青のネクタイを締め、身も心も西武一色であることをアピールした。「新たな気持ちで頑張ります」「せっかく呼んでいただいたので、もうひと花咲かせたいと思っています」。前向きな言葉が、次々と飛び出した。

 15年所属していたチームを離れる。家族がショックを引きずっていても、不思議ではない。だが、後ろ向きな様子を語ることなく「子供たちに『秋山翔吾から電話がかかってきた』と言ったら、喜んでました」と、笑わせた。

 古巣に関する質問には慎重に言葉を選びながら、しっかり線を引いた。「みんな『さみしい』と言ってくれた。それはありがたい。でも決まった以上『ライオンズで頑張ろう』と思ってますし、そう言ってくれた後輩たちにも『頑張れ』と伝えました」。沈む仲間へエールを送る余裕もみせた。

 巨人時代、自分に厳しく練習を課す一方で、周囲には優しく、明るく振る舞い、続々と門下生が集まった。オフの合同自主トレは常に大所帯。他球団へ移籍してもなお、志願する選手も少なくない。先輩や新加入組にも真っ先に声をかけ、信頼も厚い。杉内俊哉氏は今年9月の引退会見で、内海が花束のプレゼンターとして登場すると号泣。何も言わず抱きあった。

 そんな男がルーキーのように、「自分が新しく入る。知らない選手もたくさんいます。まずは自分という人間を受け入れてもらえるようにやっていきたい」とまで言った。謙虚に、前向きに。生きざま、人柄が詰まった移籍会見だった。

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