巨人 際立つ原監督の言葉力 抜群の存在感でオフの主役に

 巨人・原辰徳監督が就任早々、抜群の存在感を発揮している。

 チーム編成も含め、全権監督を託され、FA市場では広島から丸、西武から炭谷を獲得。前オリックスの中島、前マリナーズの岩隈の入団も決まった。際立つのは、原監督の“言葉力”だ。

 プロである以上、条件面なども大事な要素であるのは間違いないが丸、中島ともに入団の決め手に挙げたのは原監督の言葉。丸は「カープのいいところを持ってきてほしい」、中島は「一発やってやろうぜ」などと直接言われたことで、心が動いたという。

 持ち前の人心掌握術で、現有戦力のモチベーションも高めている。11月に行われたMLB選抜との一戦。指揮官はランニング本塁打を放った松原を称賛した。会見では隣に座った23歳に笑顔をみせ、「伸び伸び野球をチームで一番実行しているのは松原。いいものは出つつある」とうなずいた。育成出身、1軍は未経験。名将からここまで言われれば、その気にならないはずがない。

 菅野、山口俊、田口など、次々と背番号を変更。選手にはそれぞれ言葉をかけ、奮起を促した。助っ人にも配慮を忘れず、中島の加入で5から44に変更となったゲレーロにもメッセージを送った。

 「外国人の強打者というのは44番、42番、49番、そういう番号が活躍するいいイメージがある。だから、ゲレーロには44番をつけてほしい」。技術面のアドバイスも付け加えたとし、「欠点、ちょっと指摘したいところが見つかっている」と、再生にも自信をにじませた。

 外国人のプライドは尊重しつつ、時に同じ目線に立って前へ進ませるのが原流。振り返れば第2次政権時代、マイルズ・マイコラスを“再生”させたのも原監督の一言だった。

 巨人で17年までプレーし、3シーズンで通算31勝。だが、来日1年目は開幕してしばらく結果が出ず、2軍降格も味わった。その能力を高く評価していた原監督は「試合のマウンドと、ブルペンでは別人だぞ。マイコラス以上のものを出そうとしなくていい」と声をかけたという。

 無駄な力みが消え、本来の投球を取り戻したマイコラスは「あの言葉で何か救われた気持ちになった」と感謝。きっかけをつかむことがなければ、今年のメジャーでの活躍もなかったかもしれない。

 ゲレーロは今季、15本塁打と期待外れ。精神的な不安定さものぞかせていたが、原監督は「オレは性格が悪いとは思っていない」とも語った。あの手この手で選手の能力を発揮させる。原監督のもと、巨人が大きく変わろうとしている。

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