高知商の“アボット”山中主将、仲間に感謝 将来は教師目指す「子供たちを連れてきたい」

 済美に敗れ涙をみせる高知商の山中(右から2人目)=撮影・持木克友
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「第100回全国高校野球選手権・3回戦、済美3-1高知商」(16日、甲子園球場)

 高知商(高知)は済美(愛媛)に敗れ、8強進出を逃した。

 三塁コーチを務めた山中大河主将(3年)は試合後、「最高の仲間と野球ができてよかった。自分についてきてくれてありがとうと言いたい」と、あふれる涙をぬぐった。

 「先天性四肢障害」のため、山中は生まれつき右手の指が2本しかない。大リーグで活躍したジム・アボット投手を手本に、左手で捕球した後、ボールを右手の2本の指でつかみ、グラブを右脇に挟みながら球を左手に持ち替えて投げるという動作を習得。控えの一塁手としてベンチ入りした。今大会は三塁コーチとしてチームを支えた。

 1-3の九回、攻撃に向かう仲間に山中は「最後1イニング、楽しんで行こう」と大声でゲキを飛ばした。ナインは期待に応えるかのように2死一、三塁のチャンスを作ったが、あと1打が出なかった。

 三塁コーチボックスでは、審判から注意を受けるほど、体をいっぱいに使ってランナーに指示を送った。「何度も注意されたけど、僕にはこのスタイルでしかできないので」と、必死に声をからした。「プレーしてみたいという気持ちはなくはないが、チーム状況もあるので。三塁コーチとして頑張ろうとやってきた」と、試合後は充実した表情を浮かべた。将来は教師を目指す。「今度は指導者として、子供たちを連れてきたい」と胸を張った。

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