日大三のスーパー2年生・井上 復活の150キロ「あと2~3キロ出る」

 「第100回全国高校野球選手権・2回戦、日大三8-4奈良大付」(15日、甲子園球場)

 日大三(西東京)が全国制覇した2011年以来7年ぶりの16強進出を決めた。東京勢は春夏通算300勝。右肘を痛めた影響で今夏初登板の2年生右腕・井上広輝投手が先発で3回を無安打に抑え、自己最速の150キロをマーク。2年生では史上5人目の甲子園での大台突破だった。

 復活の舞台で、いきなり大台を叩きだした。聖地のスコアボードに躍った150キロの表示。井上は確かな手応えをかみしめた。7年ぶりVへ、スーパー2年生が帰ってきた。

 「緊張よりも楽しんで投げようと思いました」。今春センバツの由利工戦で甲子園デビューし、147キロを計測。注目の2年生右腕として話題を呼んだ。しかし4月末の都大会準決勝・早実戦で右肘に違和感を訴え、今夏は登板機会がなかった。

 この日は約3カ月ぶりのマウンドとなった井上だが、不安どころか進化した姿を見せた。二回、植村の5球目に150キロを計測。当初の予定通り3イニングを打者10人に対して無安打2四球。47球で退け、2番手・河村にバトンを渡した。

 ケガの功名だ。6月中旬までボールを握れなかったが、代わりにランニングやウエートトレーニングに集中して取り組んだ。下半身は一回り大きくなり、体重は故障時の73キロから78キロに。その結果、大台への扉が開いた。「自分の中ではまだ(球速が)出ると思います。今7~8割の力なのでベストならあと2、3キロは出ると思う」と自信を身につけた。

 右腕のカムバックに小倉全由監督(61)も「井上も投げられるし、これで(起用法の)幅が広がった」とうなずいた。必要なピースが加わり、頂点へさらに加速する。

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