ソフトバンク内川「2000本打ったことを自信にして、これからも頑張っていきたい」

2000安打を達成し、王会長(左)から花束を受け取り、会心の笑みを浮かべる内川(撮影・開出牧)
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 「西武0-3ソフトバンク」(9日、メットライフドーム)

 ソフトバンクの内川聖一内野手(35)が、八回1死一塁で迎えた第4打席で西武の武隈から中前打を放ち、史上51人目となる2000安打を達成した。

 5日・オリックス戦(ヤフオクドーム)の第2打席で偉業に王手をかけながら2試合、14打席足踏みをしての記念打だった。

 西武の松井稼頭央から花束を贈られた内川は、2000安打の記念パネルを掲げてファンの大声援に応えると、王貞治球団会長とがっちり握手。代走を送られてベンチへ下がると、工藤公康監督やナインにハイタッチで迎えられた。

 お立ち台に呼ばれた内川は「達成するまでに時間がかかりましたし、個人的なことでチームに迷惑をかけることがきつかったので早く2000本と思っていた。ちょっと打席の中で自分が自分じゃないようなフワフワした感じで打席に入ったりしていたし、やっときょうの最終打席で打てましたが、正直きつかったですね。敵味方関係なく、これだけ声援をもらえるのは野球選手冥利(みょうり)に尽きる。2000本打ったことを自信にして、これからも頑張っていきたい」と安どの表情を浮かべていた。

 プロ18年目のシーズンを、記録まで残り25安打として迎えていたが、開幕から調子が上がらず苦しんだ。4月終了時点での成績は23試合90打数19安打、打率・211、1本塁打。だが、4月最後に放った今季1号で記録への呪縛から少し解き放たれた。

 翌1日のロッテ戦は2試合連続の2号を含む2安打。「周りの反応や取材の多さで2000安打を過剰に意識していた」「早く達成してスッキリしたい」。そんな本音が口をついたこともあった。

 10年間在籍した横浜から2011年に出身地・大分県に近いソフトバンクにFA移籍。移籍1年目からチームの主軸を担い、その年に史上2人目となる両リーグでの首位打者を獲得した。世界の王、王貞治球団会長から送られた「練習で120パーセントの力で体を使って。試合は80パーセントでいいから」というアドバイスは、鷹の内川となって以降の活躍の源となった。

 順風満帆の歩みではなかった。移籍1年目には古巣である横浜との交流戦でブーイングにさらされた。主将になった2015年には、日本シリーズ直前にあばら骨を骨折。無念のリタイアを余儀なくされた。雪辱を期した昨季は7月23日のロッテ戦で左手親指を骨折。2カ月の長期離脱を強いられた。リーグ優勝には間に合わなかったが、CSファイナルでは4試合連続本塁打でチームを日本シリーズに導き、2年ぶりの日本一を決めた日本シリーズ第6戦でも土壇場の九回に起死回生の同点本塁打を放った。

 2002年4月24日の中日戦(札幌ドーム)でギャラードから記録したプロ初安打から、コツコツと積み上げてきた2000という安打。ただ、偉大な記録も通過点でしかない。

 これからはようやく“平常心”に戻れる。主将として、リーグ優勝、そして日本一へ突っ走っていく。

 ◆内川 聖一(うちかわ・せいいち)1982年8月4日生まれ、35歳。大分県出身。185センチ、93キロ。右投げ右打ち。外野手。背番号1。今季推定年俸4億円。大分工から2000年度ドラフト1位で横浜入団。08年に右打者最高打率・378で首位打者。ソフトバンクに移籍した11年に史上2人目の両リーグ首位打者を獲得し、リーグMVPも受賞。最多安打2回(08・12年)、最高出塁率1回(08年)、ベストナイン5回(08・09・11~13年)。09・13・17年WBC日本代表。

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