大阪桐蔭、春連覇へ悪夢払い20安打14点 中川2安打、柿木6回0封

 躍動感あふれる投球を見せる大阪桐蔭・柿木(撮影・高部洋祐)
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 「選抜高校野球・2回戦、大阪桐蔭14-2伊万里」(26日、甲子園球)

 大阪桐蔭が昨夏の悪夢を振り払う快勝で、3回戦へ進出した。20安打14点で21世紀枠出場の伊万里(佐賀)を圧倒。センバツは出場全10大会で初戦突破となった。昨夏の仙台育英戦でサヨナラ負けのきっかけを作った主将・中川卓也内野手(3年)は2安打1打点。同戦でサヨナラ打を浴びた先発・柿木蓮投手(3年)は6回無失点。史上3校目のセンバツ連覇へ向けて最高の滑り出しを見せた。

 甲子園での借りは甲子園で返した。悪夢のような敗戦から7カ月。中川と柿木が悔し涙を流した聖地で、新しい一歩を踏み出した。

 九回。中川は三塁から一塁へ。あの日うつむいた場所で勝利を迎えた。「一塁を守ったのは、あれ以来。練習もしていない。いろんな思いがあったので緊張した」

 西谷浩一監督(48)は、一塁が本職の井阪を交代させてまで、中川に“あの場所”での勝利を経験させたかった。何よりも選手を大切に思う指揮官なりの配慮が垣間見えた。

 柿木はあの日と同じ先発で、6回2安打無失点で10三振を奪取。生まれ故郷・佐賀の伊万里を封じて「複雑だったけど、チームの勝利を考えた」。勝利が決まると、笑顔でベンチを飛び出した。

 あの日とは-。昨夏の甲子園3回戦・仙台育英戦。1点リードの九回2死一、二塁だった。一塁・中川はベースを踏み損ね、直後に柿木が逆転サヨナラ打を浴びた。

 中川は新チームで主将に選ばれると自ら重い十字架を背負った。あの失敗を引き合いに「100%の確認」を徹底。部員41人の意思を統一するために、3時間を超えるミーティングをしたこともあった。

 柿木は今も当時の映像をまともに見られない。「絶対に甲子園で勝つと思ってやってきた」。心身のレベルアップを目指し、背中で投手陣を引っ張った。

 個々の能力は高いが、一体感が課題の現チーム。西谷監督の提案で年明けから主将・中川、副主将・根尾と、柿木ら7人の計9人によるリーダー制を敷いた。9人で回すノートの表紙には「最高最強のチーム作り 日本一への道」と記入。課題をぶつけ合い、結束力を高めてきた。

 大量リードにも集中を切らさなかった初戦で成長の跡が見えた。中川は「勝ったので100点」。あの悔しさをようやく胸の奥にしまえた。さあ、史上3校目の春連覇へ-。29、30年第一神港商(現市神港)、81、82年PL学園以来の偉業に、大阪桐蔭が力強い第一歩を踏み出した。

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