明徳義塾、4番・谷合が逆転サヨナラ3ラン 中央学院・大谷からバックスクリーンへ

 「選抜高校野球・2回戦、明徳義塾7-5中央学院」(25日、甲子園球場)

 明徳義塾(高知)が劇的なサヨナラ勝ちで中央学院を下し、初戦を突破した。1点を追う九回、2死後に一、二塁のチャンスをつくり、プロ注目の4番・谷合悠斗外野手(3年)がバックスクリーンへ豪快なサヨナラ3ラン。1年夏から甲子園を経験し、これが自身4度目の聖地となる主砲が、相次ぐ故障を乗り越え、馬淵史郎監督(62)に区切りの甲子園通算50勝目をプレゼントした。

 バットの手応えも、アルプスの大声援も記憶にない。残っているのは本塁で輪になって迎えてくれた、仲間の手荒い祝福の痛みだけだ。「食らいついていった」と何度も繰り返した谷合の言葉が集中力を物語る。

 1併殺を含む4打数無安打で迎えた4-5の九回2死一、二塁。中央学院・大谷の139キロ直球にフルスイング、打球はバックスクリーンへ一直線。1年夏から4度目の甲子園。自身初のサヨナラ弾となる逆転3ランで馬淵監督に節目の50勝をプレゼントした。

 昨秋は右肘を痛め、左足首も疲労骨折。優勝した昨秋の明治神宮大会では6番に降格した。準々決勝の中央学院戦でも大谷の前に3打数無安打2三振と不振にあえいだ。

 センバツを前に手術に踏み切るかどうか悩む中「間に合う」と背中を押したのは馬淵監督だ。今も患部はテーピングに包まれているが、その信頼にどうしても応えたかった。

 この日も名将の金言が心を支えた。中央学院がエースで主砲の大谷の打順を4番から1番へと変えたことに、馬淵監督は試合前「相手は(オーダーを)変えないと自分たちは勝てないと思っているということ」と説いた。「最初は大谷の打順がたくさん回ってくると考えていたけど、自分たちの方が精神的に楽だと思った」と谷合。「あれで前向きになった」とベンチのムードは変わった。

 試合後、馬淵監督から握手を求められたヒーローは「握手したのは初めて。監督さんから握手してくれた」と恥ずかしそうに笑った。「50勝をプレゼントするのが目標だった。次は60勝を目指して頑張りたい」。90回の春と100回の夏。節目の聖地でともに頂点に立てば、その壮大な夢はかなう。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

野球最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(野球)

    話題の写真ランキング

    写真

    デイリーおすすめアイテム

    リアルタイムランキング

    注目トピックス