板野・森井144キロ1失点完投 150キロ右腕に日米4球団

 「高校野球徳島大会・1回戦、板野2-1城南」(16日、オロナミンC球場)

 プロ注目の最速150キロ右腕が、クレバーな投球で夏の初戦を突破した。板野のエース右腕・森井絃斗投手(3年)が3安打1失点、6奪三振の好投。124球を投げ抜き「変化球をうまく使えた。そこが春から成長できた部分だと思う」と胸を張った。

 ネット裏には日米4球団のスカウトが視察に訪れていた。大会前には「155キロを出したい」と目標を掲げていたが、この日は144キロ止まり。あえて力を抑え、キレのあるスライダーなど変化球を効果的に使って凡打の山を築いた。今大会のチームのテーマは「45イニング、耐えて甲子園」。決勝までの5試合を見据えているからこその「スピードより勝利を大事にする」投球だった。

 池田OBで85年センバツ4強時の三塁手だった和田哲幸監督(50)から「お前の力で甲子園に連れて行ってくれ」と言われ、無名の県立校への入学を決めた。2回戦の相手は城北。「次も冷静に投げて、しっかりと抑えたい」。剛腕の最後の夏は、まだ始まったばかりだ。

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