星槎の男子マネ 慣れぬ裁縫でお守り66個手作り勝利貢献

 「高校野球神奈川大会・2回戦、星槎6-0上矢部」(16日、サーティーフォー保土ケ谷)

 初戦に臨んだ今春県4強の星槎が、完封勝ちで好発進した。

 プロ注目のエース・本田が13奪三振の快投、2番・有賀に一発が飛び出すなど、投打の歯車がガッチリかみ合った快勝劇。その裏には、三浦康太マネジャー(3年)の“チーム愛”に満ちたサポートがあった。

 この日に向けて用意したのは、全部員分のお守り。慣れない針仕事で指を何度も刺しながら、1カ月かけてチームスローガンの“必笑”を縫い込んだ66個を1人で作った。

 捕手として入部したが、右肩を故障で手術したこともあり、昨冬にマネジャーとなった。「チームを明るくするために、自分も明るく振る舞っています」という縁の下の力持ち。選手に手作りのお守りを渡す慣例がある他校の話を聞き、最後の夏を前に「初めてだけど、作ってみようと思いました」と針を手に取った。

 お守りをバッグにつけて試合に臨んだ本田は「驚いたけど、うれしかった。三浦の分も頑張ろうと思った」。笑顔で感謝の思いを明かした。「選手のことは何でも知っているんだよ」と三浦への信頼を口にした土屋恵三郎監督は「高校野球は野球ばっかりじゃない。人作りをしないと」と、一体感あふれる勝利を演出した教え子に目を細めた。

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