巨人初だ育成出身・篠原プロ初登板星 緊急登板も3回0封
「巨人1-0ヤクルト」(19日、鹿児島県立鴨池野球場)
ウイニングボールを手に指揮官とのツーショット。その表情は喜びと安どが入り交じっていた。育成から支配下登録されたばかりの巨人・篠原が、緊急登板にも動じず3回無失点。球団史上初の育成出身での初登板初勝利が転がり込み「うれしいのひと言では表せないぐらいの感情です」とかみしめるように話した。
出番は突然巡ってきた。先発・高木勇が二回1死一、二塁の打席で送りバントを試みたが、ブキャナンの投球が右手付近を直撃。そのまま降板となった。初回に高木勇が打球を胸に当てた際にも準備をしたという背番号92。「緊張する時間もなかった」と振り返ったマウンドで、毎回安打を許したが粘り切った。
独立リーグの四国ILp・香川から入団して3年目。研さんを積み、ようやく晴れの舞台での登板がかなった。「独立リーグの認知度を上げて、これから入ってくる人の希望にならないといけない」と話す26歳の右腕。この日の投球は、間違いなく後に続く選手への希望となったはずだ。
篠原の好投が、チームにとって22年ぶりとなる3試合連続完封勝利へと導いた。高橋監督は「いいボールが投げられていた。勝ちも付いたので、次に向けて自信にしてくれれば」と目を細めた。5連敗後の4連勝で2位に再浮上。V奪回へ向け、待望の新星が誕生した。