大阪出身の盛岡大付・比嘉、かつて憧れた故郷の強豪・履正社に聖地で勝利ならず

 「選抜高校野球・準々決勝、履正社8-1盛岡大付」(29日、甲子園球場)

 盛岡大付(岩手)は中盤以降に突き放されて敗れ、初の4強入りはならなかった。

 主将の4番・比嘉賢伸内野手(3年)は、3打数無安打。優勝候補の壁は厚く「やられましたね。今までで一番強い相手。自分たちの野球ができなかった」と、潔く力の差を認めた。

 相手の履正社(大阪)は幼い頃に憧れた強豪の一つだった。大阪出身。中学時代は、14年センバツ準V右腕の履正社・溝田や、大阪桐蔭・森友哉のプレーに胸を躍らせ、球場に足しげく通った。「すごい」とスター軍団に感嘆する一方、自分がその一員になれるイメージはできなかった。それでも、夢はやっぱり「甲子園に出たい」。東北で勝負することを決めた。

 最初の冬。あると思っていた室内練習場はなく、長靴を履いて雪上で行う打撃練習にがく然とした。「本当にキツい。寒いんじゃなく痛い。足の小指がない感覚になるんです」。土の上で野球ができる幸せを痛感した。慣れない雪国で必死にバットを振り、夢だった聖地に立った。

 互いの指導者が友人同士で、履正社・若林とは中学時代に一緒にバーベキューをしたこともあった。そんな縁もある“西の横綱”との対戦。4番として無安打に終わり「情けない打撃をした」と、反省した。若林には「絶対負けるな。頑張れよ」と、声をかけた。

 ただ、胸を張れることもある。「雪が降っている中でバッティングをしたり、限られた厳しい環境の中で耐えてきた心の強さはあるという気持ちで臨んだ。今までやってきたことに自信を持って、課題を見つめ直して、夏に戻ってきたい」と、前を向いた。もう、故郷のスター軍団は憧れではない。倒すべきライバルとして、東北の地から雪辱を期す。

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