「オープン戦、広島１－６ヤクルト」（１０日、マツダスタジアム）

　バットに思いを乗せた。四回。ヤクルト・雄平が横山の変化球を捉えた。右越えのオープン戦１号ソロだ。

　「バットの先でしたけど、結果が出て良かったです」とほおを緩めて振り返った。七回にも右前適時打を放ち２安打２打点。存在感を示した。

　さまざまな思いを抱える。１１日で東日本大震災から丸５年を迎える。宮城・東北高出身。「まだまだ震災のことは解決していない。僕ら自身が忘れずに、何か手助けできるように継続していきたい」と言葉に力を込めた。

　野球で活躍することで希望や勇気を与え、元気づけることもできる。今の自分に何ができるのか－。自問自答を重ね、雄平はひたすらバットを振り、躍動する。