「セＣＳファイナルＳ・第４戦、ヤクルト３－２巨人」（１７日、神宮球場）

　セ・リーグのＣＳファイナルＳ第４戦は、リーグチャンピオンのヤクルトが巨人を下し３連勝。通算４勝１敗（アドバンテージの１勝を含む）で１４年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。日本シリーズは２４日にヤフオクドームで開幕し、ソフトバンク－ヤクルトの両リーグ優勝チーム同士で争われる。最優秀選手賞にはヤクルト・川端が選出された。

　新人監督が再び神宮の夜空の下で７度舞った。１４年ぶりのリーグ優勝に続いて、過去３度はね返されたＣＳの壁を初めて突破し、「ホッとしました」と表情を緩めた真中監督。この日は涙はなかった。

　苦しみながらも粘り強く勝ち抜いたシーズンを象徴するような戦い。勝利を引き寄せたのは今ＣＳ初スタメンの１番・比屋根だった。

　「１打席目は重要だと思って集中したのがよかった」と、初回の先頭打者で二塁打を放つと野選で三進し、山田の右前打で先制の本塁を踏む。２－０の二回２死三塁では中前適時打を放った。

　五回に２点を失い、１点差に迫られたが６人継投で逃げ切り。指揮官は「アイツらはメンタルが強いね。１点差を守り抜くのは意外と難しい。今日みたいな試合ができるのは選手も強くなっている」と、選手の成長を実感。残り５試合で優勝マジック３が点灯してからの負けられない戦いを勝ち抜いた経験が短期決戦でも生きた。

　日本一の座を争う相手は独走でパ・リーグを制したソフトバンク。真中監督は「楽しみですね。本当に強いチームなので、戦い方は普段通りで行きますけど、こちらの戦いがどこまで通用するか試してみたい」と胸を躍らせた。貫いた普段通りの野球で頂点まで駆け抜ける。