T岡田逆王手弾!敗退危機4番が救った

 「パCS第1S第2戦、オリックス6-4日本ハム」(12日、京セラ)

 オリックスが4番・T‐岡田外野手(26)の3ランで逆転勝ちし、1勝1敗のタイに戻した。宮内義彦オーナー(79)が観戦する前で、球団ではCS初勝利。第3戦に勝つか引き分ければファイナルS進出が決まる。

 T‐岡田の一振りが、ファイナルSへ望みをつないだ。1点を追う八回2死一、二塁。谷元の147キロ直球に、ドンピシャのタイミング。打球は右中間上段席の壁面を直撃した。

 敗色ムードを切り裂く一発。「完璧な当たりの時は感触がないんですが、今日もなかったです」。打った直後、バット持った右手を高々と掲げた。

 ぺーニャが右大胸筋の炎症で出場選手登録を抹消され、2戦連続で4番に座った。しかしこの日は第1打席から3連続三振。八回は、前を打つ糸井が敬遠気味の四球で歩かされた後に回ってきた。

 カウントは3ボール。「監督が信じてくれて、3ボールから“打て”のサイン。何とかつなげたいと思い集中した」。ファウルの後の5球目を捉えた。森脇監督も「素晴らしい。T(‐岡田)の持ち味が出せた」と喜んだ。

 2010年の本塁打王。過去3年は思うような結果が出なかったが、今季は24本塁打と復活した。休日返上練習や試合前の早出特打にはいつも、T‐岡田の姿があった。この日も午前7時30分に球場に到着し、練習して試合に臨んだ。

 6月末には、中学時代からの友人の父が亡くなった。T‐岡田は休日返上練習をこなした後で通夜に出席。「家族ぐるみでよくしてもらっていた。お父さんは55歳と、まだ若かったので」。友人を元気づけるためにも、活躍を誓っていた。

 京セラドームには3万6012人が詰め掛けた。実数発表となった05年以降、オリックスが主催した同球場での試合では最多。「こんなに大勢の前でプレーすることがなかったので、よかった」と声を弾ませ「今季は諦めないのがモットー。ここまでやれるんだと力強く感じた」。崖っぷちからはい上がる。今季を象徴する男が、大一番でそれを体現した。

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