阪神・藤川監督 男泣き「恩返しできた」高知Vパレード 地元祝福に万感の思い「素晴らしい景色でした」
阪神・藤川球児監督(45)と石井大智投手(28)ら9選手が10日、高知市内で開催された「高知県阪神タイガース優勝記念パレード」に参加した。「高知県プロスポーツ優秀賞」の表彰式後のスピーチで指揮官は男泣き。地元への恩返しを果たし、万感の思いを口にした。幼少期から慣れ親しんだ市内中心部のアーケードには約1万3000人が集まり、セ・リーグ連覇、日本一奪還を狙う来季へ決意を新たにした。
地元の懐かしい景色、空気に触れ、藤川監督は思わず感極まった。「何を話そうかな…」。パレード前のスピーチで感激の男泣きだ。「球児ありがとう!」。先に順番を譲った石井が話している間も万感の思いがこみ上げる。故郷の空を見上げながら、感慨に浸った。
「本当に恩返しの思いで。この仕事も誰かの恩返しになるだろうと、阪神タイガースの監督を引き受けましたからね。素晴らしい景色でした」
約30分間、2階建てバスの上から笑顔で手を振った。四国ILp高知の後輩・石井、ドリスに加えて、高知商の先輩・江本孟紀氏、中西清起氏も駆けつけてくれた。平日の午後にもかかわらず、アーケードは高知県民と阪神のユニホームを着たファンでぎっしり。約1万3000人が沿道を埋め尽くした。
「あのアーケードで遊んでいた自分が恩返しができるようになったと、45歳で。これは本当に感慨深いものがありました。自分が監督として、人として、真っすぐに歩けている証しだなと思って。1年間頑張って良かったというところですね」
故郷はいつも背中を押してくれる場所だ。「自分の羽を休めると言いますか、なにか新しく復活させてくれるところなんですね。自分にとって地元ですから」。プロ入り後、なかなか芽が出なかった時は「故郷に錦を飾りたい気持ちで帰ってくるんですけどね。活躍できずに悔しい。もっと頑張らなきゃ」と奮い立たせてくれた。メジャー挑戦後はNPBではなく、四国ILp高知でプレー。現役引退後、「自由人」となってからもライフワークの野球教室などで度々、高知に帰っていた。
「街の中にいるような人とお酒を酌み交わして、おいしい料理を食べて、人生を楽しんでいましたから。自分自身、この辺りの出身。小学校の時からお城(高知城)の周りで鬼ごっこをしたり。今日は『頑張ってこいよ』というよりは『ありがとう』という気持ちだった」
監督就任1年目の今季は史上最速のリーグ優勝を達成。「座禅を組んでいるような1年だった」。監督業に没頭し、指揮官は一段とたくましくなった。リーグ連覇と日本一を狙う来季へ、決意も新たになっている。
「自分が任されている間は常にゲームを勝ちに行く。それだけにまい進して。そこに行くまでに日々精進していく。必死にやって結果が出たときは今日のような光景があるわけですから」
大好きな故郷にまた胸を張って帰ってきたい。藤川監督の恩返しはまだまだ続いていく。
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