阪神・佐藤輝「40号&100打点」達成!掛布以来、球団生え抜き40年ぶり「本当にホッとしています」
「阪神6-2ヤクルト」(2日、甲子園球場)
俺たちのテルが魅せた。阪神・佐藤輝明内野手(26)が五回1死二塁から右越えに40号2ラン。確信歩きの一発で、10年のブラゼル以来となる大台に到達した。初回には左翼後方への先制犠飛でシーズン100打点にも到達。今季最終戦の本拠地でファンの夢をかなえた背番号8。CS、日本シリーズでも、俺たちのテルが輝く。
すさまじい打球音が響き、白球がきれいな放物線を描く。切れるな。みんなの願いが届いた。右翼ポールの内側に打球が吸い込まれるのを確信すると、佐藤輝はバットを天に掲げ、両手を上げた。「本当にホッとしています」。目標の40号に到達。間違いなく、今年一番の笑顔が咲いた。
今季、何度も何度も見せてくれた光景。チームの143試合目、自身の596打席目だった。「最終戦で達成したいなという気持ちはあった。うれしい。それだけですね」。3点リードの五回1死二塁。青柳の初球を豪快に振り抜いた。球団の生え抜きでは85年の掛布以来、40年ぶりの40号。左打者に不利な浜風が吹く聖地。この日は風が追っていた中、鮮やかに決めてみせた。
もう一つの大台は1打席目に達成した。初回1死三塁。あとひと伸び足りなかったが左翼へ先制犠飛。139試合に出場し、打率・277、40本塁打、102打点。数々のキャリアハイを更新し、3年ぶりに1軍を完走した。
重圧、焦り…。大台に王手をかけた後、いろんな感情があったことは容易に想像できる。ここ数日は大台到達への質問が飛ぶたび、吹っ切れたように「意識させないでくださいよ」と笑っていた。4試合の足踏みは最後の試練。「絶対に意識してしまうので、その気持ちを楽しもうという感じでやっていました」。最終戦で決められるメンタルの強さ。虎の強さの象徴が佐藤輝であることを証明してみせた。
プロ5年目。悔しい思いも人一倍、味わってきた。打って、ヒーローになるだけではない。厳しい結果には批判も受けてきた。SNSなどの書き込みも「見たりはしますよ」。でも己を貫いた。「楽しんでやろう」。今季の最後にたどり着いた答えが、成長の証しだ。
あれは開幕前だった。目標の本塁打数について「30本打ちたいですね」と言っていた。それが驚異的なペースでアーチを描き、どこからか40本塁打に上方修正。「毎年、自信はある」。振り返れば、あの時の言葉の熱量と目の奥の力強さは本物だった。
チームとして積み上げた、85の勝利。次は日本一の頂をつかみにいく。「間が空くので難しくはなりますけど、実戦もあると思う。日本一を目指して、しっかり準備したいなと思います」。球団創設90周年に刻んだ今後100年、200年と語り継がれるであろう40本塁打、102打点。佐藤輝明の一発から始まった2025シーズンは、佐藤輝明のアーチで締めくくられた。
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