【谷佳知氏の眼】阪神・村上の最大の長所がピンチで発揮された 打ちにいけないコースで小園から見逃し三振を奪った
「広島1-6阪神」(17日、マツダスタジアム)
阪神が広島に快勝して優勝後は初の連勝を飾った。三回に3試合ぶりのスタメンとなった近本が二塁打でチャンスメークすると森下の適時打で先制。1-1の六回には、佐藤輝がベンチ外で「5番・三塁」で起用の木浪が決勝の勝ち越し適時打を放った。先発・村上が6回1失点で才木と並んでチームトップタイの12勝目を挙げた。デイリースポーツ評論家の谷佳知氏は五回2死一、二塁での村上の投球を「打ちにいけない絶妙なコースで小園から見逃し三振を奪った」と称賛した。
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村上が外角に8球すべてを投げ切り、小園を見逃し三振に仕留めた五回2死一、二塁での対決が、勝敗の分岐点となったと言っていいだろう。
この打席には伏線があった。
三回2死一、二塁で小園を迎え、村上は外角に5球連続で投じてフルカウントとなった後、勝負にいった内角真っすぐが高めに浮き、右前へ適時打を浴びた。
五回のピンチで阪神バッテリーは当然、この打席が頭をよぎったはずだ。2打席連続で内角球を打たれることは避けたかったと思う。そうなれば外角勝負。小園もそう読んでいたに違いなく、外角の際どいところにいかに投げ切れるかがポイントになる、と見ていた。
実際に真っすぐとツーシームなど変化球を7球連続で投げミスなく、外角に集めた。そして最後は打者にすればボールに見える、打ちにいけない絶妙なコースに真っすぐを決めて、見逃し三振を奪った。グッと伸びてくる低めの真っすぐは村上の生命線。彼の最大の長所が、あの五回のピンチで発揮されたように思う。
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