阪神・木浪V押し出し 満塁男の面目躍如 「勝つことが全てなので。勝てればそれでいいです」

 「阪神6-2ヤクルト」(9日、京セラドーム大阪)

 心は燃やしても頭は冷静に保って、“満塁男”の面目躍如だ。阪神・木浪聖也内野手(31)が代打起用で押し出し四球を選んで、勝ち越しに成功。「1点取りに行った中で1点取れたんで、良かったです」。値千金の決勝点は、6月6日・オリックス戦(甲子園)以来、約2カ月ぶりの打点にもなった。

 同点の八回、2死満塁で出番を告げられた。虎党の期待が膨らむのを肌で感じる。「よし、いってやろう」-。腹をくくって打席に向かって、制球が定まらなくなった小沢と対峙(たいじ)。カウント2-0となりマウンドに輪ができると、左手でバットを持って再開を静かに待った。3-1から外角に外れる直球を見極めると、右手でガッツポーズを決めて一塁へ向かった。

 一度もバットを振ることはなかったが、「勝つことが全てなので。勝てればそれでいいです」と確実に勝機を高めた。8日には再昇格後、初の安打も放った。「やることしっかりやって1本出て、今日も大事なところで打点を挙げられたのは良かった」。今季の満塁打率は5打数3安打の6割。絶好機で発揮する勝負強さが何より頼もしい。

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