「マイナビオールスターゲーム２０２５・第１戦、全パ５－１全セ」（２３日、京セラドーム大阪）

　待ち望んだ夢舞台で剛腕ぶりを見せつけた。阪神・石井大智投手がオール直球勝負で３人斬り。「相手を抑えようとかっていう感情はなくして。シンプルにただ投げてみたって感じです」と魂の１４球でファンの心を揺さぶった。

　試合前には「（直球勝負は）全くないです。自信を持っている球がない」と弱気に話した右腕。八回に出番が訪れると、余裕すら感じる笑みを浮かべて強気に攻めた。先頭の代打・清宮幸は１５０キロで中飛、続く代打・万波は１４７キロで右飛。強烈な当たりのファウルにヒヤリとしながらも、ホームランダービー選出メンバーをピシャリと抑えた。

　最後は今季打率・２９０の５番・柳町を打席に迎える。「打たれてから変化球を投げようかって誠志郎さんと話していた。でもあんなに真っすぐを続ける事なかったのでバテちゃって（笑）」とフルカウントまで粘られながら、１４９キロで空振り三振。ただ「気を使って振ってくれました（笑）」と謙虚に回想した。

　フルスイングの強打者を前に「空振りを見て、ピッチャーライナーだけは怖いなと思いながら」と苦笑いを浮かべつつ、「一番は無事に終わることができてよかった」と安堵（あんど）した。

　試合前のチーム紹介での決めポーズは「フレッシュオールスターで工藤がマッスルポーズしたんで」と対抗して同じポーズを披露。練習では島内らと交流し、初めての宴を楽しんだ。「後半戦はまた別の空気で投げないといけない。今チームがいい位置にいるので、そこを守れるように」。あと１日、祭りを楽しんで後半戦への弾みとする。