鳥谷氏ら阪神OB10人が集結 シーズン中に“甲子園で史上初”の野球教室 掛布OB会長「定期的にやっていけたら」
阪神と阪神OB会は29日、兵庫県西宮市の甲子園球場で野球教室「未来につなぐ トライアルベースボール ~打ちたいねん!投げたいねん!走りたいねん!~」(スポンサー=株式会社インサイド、兵庫三菱自動車販売株式会社、ミリオネア会「スマイルママプロジェクト」)を開催した。
2024年12月に就任した掛布雅之OB会長の発案で、球団創設90周年事業の一環として計画がスタート。球団関係者が「甲子園で野球教室は初めてだと思う。しかも、シーズン中に」と話す画期的なイベントには多くのOBも参加した。
掛布OB会長のほか、桧山進次郎OB会副会長、亀山努氏、関本賢太郎氏、鳥谷敬氏、葛城育郎氏、今成亮太氏、糸井嘉男氏、岩田稔氏、秋山拓巳氏の阪神OBの10人が集結。晴天の下、スタートした。
午前中の第1部は、600組の応募の中から選ばれた小学1、2年生と親の55組110人が参加。3つグループに分かれて、それぞれ本塁でのゲームエリア、左翼のロングティーエリア、右翼のストラックアウトエリアを回った。
ロングティーは柔らかいバットとボールを使用し、ストラックアウトも至近距離から投げるなど、それぞれ野球未経験者でも体験できる簡易なレベルで行われた。
参加者は各エリアを移動する間に、自由に写真撮影するなど甲子園を満喫。「楽しかったねー!!」と子供に興奮気味に話しかけるお母さんや、「小さい時にしてほしかったわー」と笑うお父さんの姿もあった。
午後の第2部はタイガースアカデミーから選ばれた110人が参加。打撃エリア、守備エリアに分かれ、甲子園全体を使ってOBによる指導が行われた。
本塁後方でのティー打撃では掛布OB会長、桧山氏、鳥谷氏、糸井氏が指導。同OB会長は実際に動きを見せながら、「首を真っすぐ立てる。そして、肩と腰と膝をなるべく甲子園のグラウンドとレベルにしてバットを振る。あと、足の裏に自分の体重を感じながら打ってください」と助言。鳥谷氏も「腰を回して、スイングした時にフラフラしない。打つときに声を出しましょう」と細かいアドバイスを行った。
糸井氏は開始前に「じゃあ、みんなまず腕立て100回からやりましょう」と声をかけると、子供が「えー!!」と反発。すると、糸井氏が「じゃあ80回やな(笑)」と盛り上げるシーンもあった。
計240人が楽しんだ野球教室は大盛況で終了。桧山OB会副会長は「やっぱり子供っていいですよね。逆に僕たちがパワーをもらえるぐらい明るく、元気で。最後のハイタッチで、子供は手が泥だらけになってましたから。僕が小さい時はこんなのなかったですよ。これからも何かできたらいいですね。子供は宝です」と充実感をにじませた。
掛布OB会長も「シーズン中に甲子園球場のグラウンドの中で、親子が参加してああいう形のイベント(を開催する)はなかなかない。甲子園の方も難しい中で使わせていただき、球団、球場にすごく感謝しています。みんな笑顔だった。特にお父さん、お母さんが喜んでたかもしれないね、子どもよりも(笑)」と話しつつ、野球人口の減少にも目を向けた。
「OB会としても1回で終わらせることなく定期的にこういう形でやっていけたら。1回目ですけど、よかったなという手応えを感じています」。今年1月に12球団で初の野球振興室を設置した球団と協力し、継続した開催に意欲を示した。
この日は親子なら甲子園に無料で入場して野球教室の観覧が可能で、球場には6357人が来場。さらに球場周辺で開催されたスポーツ体験などができるイベント「キッズフェスタ」と合わせると、計1万4000人が来場。試合が開催されていなくても、甲子園は大きくにぎわった。
関連ニュース




