阪神・中野 決勝打&好守連発 背走しながらの捕球、併殺奪う好プレー「早く才木に援護点を与えたかった」

 完封勝利を挙げ、ピンク色に染まったナインから祝福を受ける才木(中央)=撮影・伊藤笙子
 3回、先制適時二塁打を放つ中野(撮影・金田祐二)
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 「DeNA0-1阪神」(12日、横浜スタジアム)

 ピンク色のアームカバーをつけた阪神・中野が躍動した。バットでもグラブでも魅せたビッグプレー。チームにとっても才木にとっても大きな1勝をたぐり寄せた。前日は7点差から逆転負けし首位陥落。この一戦の重要性を中野は理解していた。

 「ずるずるいってしまうと、チームとしても良くない雰囲気になるかなと。今日の試合がすごく大事というのは分かっていた。先制点を取られると嫌な流れは続くと思ったので、早く才木に援護点を与えたかった」

 その思いをバットに乗せた。両軍無得点の三回2死一、二塁。「カウント不利に進められることが多かったので、なるべく早く仕掛けた中で、タイミングを合わせていかないと」と初球から積極的に振りにいき、ファウルに。カウント1-1からの3球目、大貫のスプリットに食らいついた。鋭い打球は右翼線へ。二走・才木が生還する適時打となった。「なかなかチャンスがないかなという状況だったので、仕留められてよかった」。これが決勝点に。投手戦の中で大きな1点となった。

 守備でも才木を救った。二回には中前へ抜けようかという筒香の打球をバックハンドで捕球し、懸命の一塁送球でアウトにした。五回1死一塁では二塁後方に飛んだ京田の打球を背走。「追いながら、この辺で捕れるかなと想像はしていた」と落下地点に入るとジャンプしながらグラブを差し出してキャッチ。一走・山本は三塁まで到達しており、併殺に。才木も拍手でたたえたビッグプレーだったが、「自分でも捕れると思っていた。ランナーがあそこまで走ってると思わなかった。自分の範囲内かと思います」と涼しい顔で話した。

 母の日に、最高なプレーと勝利を届けた。「ここまで丈夫にというか、産んでくれたのもお母さん。日頃なかなか感謝を伝えることはないので、勝利したタイミングで、『ありがとう』とか、そういう言葉を伝えられたら」。頼もしい選手会長の優しい笑みがこぼれた。

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