阪神・森下 嫌な空気変えた同点弾 CSファイナル球団初の新人アーチ 「この打席は打てるなと」
「JERA CSセ・ファイナルS・第1戦、阪神タイガース4-1広島東洋カープ」(18日、甲子園球場)
阪神・森下翔太外野手(23)は確信していた。「この打席は打てるなと思っていました」。満員の聖地が総立ちとなる中、白球が左翼スタンドに突き刺さる。思い描いていた通りの感触だった。
1点を先制された直後の四回1死。9球目に広島・九里のスライダーを振り抜いた。値千金の同点ソロ。球団新人のCS本塁打は2017年ファーストSで放った大山以来、2人目、ファイナルSでは初となった。
初回2死で迎えた1打席目は初球を捉えてチーム初安打となる左翼線への二塁打。アグレッシブベースボールを信条とする“らしい”打撃でポストシーズンの幕を上げた。
本塁打を放った打席では、早々に追い込まれながらもフルカウントまで粘った。左翼ポール付近への大ファウルの直後、9球目をジャストミート。「変化球を絶対見られる自信はあった」。打席から醸し出される余裕たっぷりの雰囲気。秋の“自由研究”が見事に実った。
リーグ制覇後はポストシーズンに向けてさらなる進化を遂げるべく、打撃フォームを試行錯誤。構えからバットの重さ、重心の位置と、もう一皮むけるためにありとあらゆる工夫を凝らした。ただ、なかなか歯車はかみ合わず。シーズン終盤は調子を崩し、試合中に涙するほど沼にハマった。
それでも、きっちり“本番”に合わせるあたりが並の新人ではないことを物語る。「とりあえず短期決戦なので打てるように」と自ら突貫工事に着手。メジャーリーガーの打撃動画を参考に、フォームで違和感を抱いた部分を修正。タイミング、ボールの見方、姿勢。感覚を頼りに見た目では分からない細部まで自己分析して正解にたどり着いた。
短期決戦初戦から最高のスタートダッシュを決めた背番号1。「CSの戦いはずっと楽しみにしていたので。さっと4勝取って勝ち抜きたい」。森下の快音はしばらくやみそうにない。
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